東京都中野区中野坂上で
地元の仲間たちに支えられ
人気酒場を作り上げた男の物語
名物「もつ煮込み」に舌つづみ!
2023年最初の放送は、東京都中野区中野坂上から!新宿駅まで丸ノ内線で2駅の近さながら静かで住みやすそうな街並みを歩き、きたろうさんと武藤さんが向かった今宵の酒場は、安くておいしいもつ焼きが評判の「やきとん なべ屋」。ふたりは、さっそく、ご主人の石野健太さん(43歳)に焼酎ハイボールを注文して、「今宵に乾杯!」。
最初のおすすめは、「もつ煮込み」。毎日、新鮮な豚もつを使い、6時間煮込んで作るそうで、「とろっと柔らかい! 大根も味が滲みてるね〜」と喉を鳴らすきたろうさん。武藤さんが、「お味噌の味も、濃すぎずちょうどいい!」と感心すると、ご主人は、「鮮度のよさを活かせるよう、3種類の味噌を独自に調合している」とこだわりを教えてくれた。
31歳の頃から老舗の焼きとん店「秋元屋 野方店」で修業を始めたというご主人。きたろうさんが、「遅いじゃん、20代は何してたの?」と聞くと、「言えること言えないこと、いろいろ遊んでて……(笑)」と頭を掻きながら、「このあたりは、僕の地元。母親も飲食店を営んでいるので、将来は自分もやりたいという夢はあったんですよ」と明かす。実は、中野坂上の隣駅・新中野にある鍋屋横丁で、ご主人の母親は今でも大衆酒場を営んでいる。長男の健太さんは、高校卒業後、家業の酒場を継ぐつもりだったそうだが、「母親が、弟に継がせるから、あんたは外でやってきなさい、と言うんです(笑)」と、29歳の時、新中野でバーを経営。その後、31歳でもつ焼きの修業を始めたのだ。
次のおすすめは、塩で味わう「串焼き」。目の前で備長炭を使い焼き上げる様子に、「わぁ、楽しい!」と目を輝かせる武藤さん。きたろうさんは、「見るからに旨そう」と、真っ先に「ればー」を食べて、「期待したとおりだ!」と満面の笑み、「はらみ」にはわさびをつけて食し、「絶妙なレア加減が旨い。やっぱり鮮度だね!」と感心しきりだ。「肉巻きしょうが」は、ご主人が修業時代に学んだ人気の一品で、武藤さんも、「存在感あるしょうががジューシーなお肉に包まれて、おいしい!」と頬が落ちそう。
3種類の自家製ダレで焼き上げる絶品「串焼き」!
平成26年、34歳で「やきとん なべ屋」を開業したご主人。「この物件は、後輩に教えてもらったんです。もともと30年程やってる喫茶店でしたが、ママが店を閉めたがってるらしいと聞いて、直談判しました」。地元の仲間たちに支えられて開業し、「当初から、先輩後輩や家族に助けられて、飯が食えるくらいには利益をあげられた」と言う。ちなみにご主人の奥さんも中学の同級生だそうで、きたろうさんは、「なるほど、店名も地元の鍋屋横丁が由来なんだね」と納得。ご主人は、「この辺は、地元色の強い街。もう“村”ですね」と、あふれる地元愛を語ってくれた。
さて、次は、3種類の自家製タレを使った「串焼き」が登場!もつの特徴を知り尽くしたご主人が、それぞれの部位に一番ふさわしい味に仕上げたという。まずは「たん」を塩ダレでいただいて、「タレがそんなに主張せずに、肉の味を引き立たせてるね」ときたろうさん。「かしら」は、見た目よりあっさりとした味噌ダレ、「しろ」は醤油ダレで食し、「どれも本当に食べやすい!」と止まらない武藤さんだ。ご主人によると、朝8時から、多い日で1日500本の串を刺すとのこと。店の奥では串打ちをする3人の従業員の姿があり、みなさん、ご主人の後輩だ。「先輩方の娘さんや息子さんがアルバイトに来てくれることもある」そうで、現在10人の従業員が和気あいあいと働いている。その中のひとり、福士拓也さん(40歳)に、ご主人の人柄を伺うと、「男の中の男っすね!」と、バシッと決め顔! と思いきや、「そう言え、と言っておいた」と爆笑するご主人。なんとも楽しそうな仲間たちである。
続いては、茹でて下味をつけた、はつもと(心臓の動脈)をニンニクと一緒にサラダ油に漬け込んだ「はつもとオイル漬け」。コリコリとした食感がクセになる珍味に、武藤さんは、「お酒が進む〜」とチューハイを「おかわり!」。他にもオススメメニューは、「ピートロ(こめかみの脂)」の串焼き、「マカロニサラダ」、「ガツ酢(胃袋)」など、何杯でも飲みたくなる料理が目白押しだ。
そして、今宵の〆は「バラみそ丼」。味噌ダレをつけて炭火でじっくりと焼き上げ、ほかほかごはんに乗せる。「もともとまかないで食べてたら、旨くて」と店の人気メニューになったとか。「いや〜、旨いっ!」、「ごはんと、めちゃくちゃ合う!」と、ふたりも大満足だ。
「お客さんとの出会いが一番楽しい」と言うご主人にとって、酒場とは、「人と人との出会いの場所」。「カウンターがメインの店なので、ひとりで来たお客さん同士仲良くなったり、いろんなドラマが生まれたり。従業員もみんな幸せでいてほしいし、みんながいるから続けていける。スタッフもお客さんも笑っていられる店づくりをしていきたいですね!」。