BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#413

やきとん

富久晴

2023/1/28放送

東京都豊島区大塚で創業73年目
祖父の代からの味を引き継ぎ
老舗酒場の暖簾を守り続ける兄弟の物語

創業以来変わらぬ味「やきとん」に舌つづみ!

今宵の舞台は、東京都豊島区大塚。東京さくらトラム(都電荒川線)が行き交う大塚駅前から、きたろうさんと武藤さんが向かったのは、創業73年目を迎えた老舗酒場「やきとん富久晴(ふくはる)」。入り口に吊るされたボロボロの提灯が店の歴史を物語っている。店内では、三代目主人の青木武(たけし)さん(44歳)と弟の時男さん(42歳)がカウンターに並んで、ふたりをお出迎え。提灯は創業当初からのものだそうで、写真を撮るお客さんも多いとか! きたろうさんと武藤さんは、さっそく焼酎ハイボールを注文して、「今宵に乾杯!」。

最初のおすすめは、創業以来の味を守る「やきとん」。武さんは、「うちは、やきとんがメインなんです。初代のじいちゃんが、『なるべく、やきとんだけでやっていけ!』と、こだわりが強い人で。二代目もそうだったし、常連さんの意見にも逆らえない。僕たちじゃ、まだまだ青い感じで……」と少々弱気だ。さて、焼き上がったのは、塩でいただくコリコリの「なんこつ」と「たん」。きたろうさんは、「旨い! おじいちゃんの代から変わってないんだ」と感激する。「たん」には自家製辛味噌をつけて味変し、「ピリッとして、おいしい〜」と武藤さんも舌つづみ!

武さんの祖父・飯田武雄さん(享年85)が、大塚に「富久晴」を開業したのは、昭和25年。昭和55年に叔父の飯田正孝さん(享年74)が二代目を継ぎ、武さんは、今から7年前、37歳で三代目を継いだ。「初代の頃は外まで行列ができるほどだった」と武さん。大塚は昭和40年代まで花街として栄え、料亭が軒を連ねていたという。近年再開発で大塚駅周辺は様変わりしたが、「富久晴」の提灯は、街の歴史を見守り続けてきたのだ。

「初代はすごく厳格な人でした。ここは、じいちゃんの家で、子供の頃からよく遊びに来ましたが、『やきとんは子供に食わせるな!』と、商品に手を出すことを許さなかった」と武さん。若い頃には兄弟で仕込みを手伝い、肉の切り方や炭の入れ方も初代から教わったというが、お客さんの多くは、初代(祖父)と二代目(叔父)の時代を知る60〜80代後半の常連さん。焼き具合など口出しされることも多いそうで、「ずっと子供扱い」と苦笑いだ。それでも「お客さんは先生みたいな存在で、いろいろ教えてくれて本当にありがたい。最近、意見を言ってくれる人ってなかなかいないので」と真摯に向き合い、きたろうさんは、「大将はかわいがられるタイプだね。威張るタイプじゃない」と納得する。

隠し味は秘伝のタレ! 絶品「煮込み」

続いては、創業以来継ぎ足してきた秘伝のタレでいただく「しろ」と「れば」。きたろうさんは、一口食べて、「タレ旨いっ!! 甘さがちょうどいい!」と絶賛。「これだけは地震があっても持って逃げろと言われてます」という武さんだけが、タレの作り方を知っていて、弟の時男さんにさえ「代替わりの時にしか教えられない」と筋を通すのだった。

武さんは、高校卒業後、洋食店などで5年間修業を積み、時男さんも飲食店で働いてきた。結婚を機に「富久晴」に戻った武さんは、「創業からずっと身内でやってきた店。兄弟で守っていきたい」と、時男さんに声をかけた。時男さんは、「兄はしっかりしてます。僕は大雑把なんで」と言い、武さんは「弟は言わなくても分かるし、言う前に動いてくれる」と信頼を寄せあう。きたろうさんも、「兄弟でやっていくって大変だろうけど、この二人なら大丈夫」と太鼓判!

ここで次の料理「ニラ玉」が登場! 「ニラ玉」と聞いて、炒め物を思い浮かべたふたりだが、出てきたのは、ニラのおひたしに生卵の黄身をのせた意外な一品。黄身を崩してニラと混ぜれば、さっぱりして箸休めにぴったりだ。他にも、オススメメニューには、「こぶ刺し」、「豚足の煮込み」、「湯豆腐」などもあり、「やきとん」以外の料理も十分な品ぞろえである。

続いては、三代目がメニューに加えた「煮込み」を。「三代目の煮込みか。弱気な味がしそう(笑)」と言いつつ食べたきたろうさん、「完璧! 上品で実に旨い!」と大絶賛。武藤さんも、「お肉がトロトロ〜」と目を細める。隠し味に秘伝のタレを入れてコクと旨みを引き出すそうで、きたろうさんは、「先代の力も借りてんだ! 三代目だけでは、こうはいかない」と笑いながら、「やっぱり、ふたりとも“ぼんぼん”なんだよ。儲けてやろうっていう匂いがなんにもしない!」。

最後の〆は、三代目オリジナルの「カレー」。「豚の旨さを知ってほしい」と、大きな豚バラ肉がゴロリと入ったスパイスカレーは、「スパイシーだけど辛すぎず、おいしい!」と、武藤さんも大満足だ。

武さんの今後の目標は、「店を兄弟ふたりで長く続けていくこと。なるべく休まず常連さんを受け入れる。そのスタイルを崩さずにいきたい」と言い、「酒場は、お客さんひとりひとりが主役になれるステージ。僕たちが力を貸していければ」。その言葉に、「大将にぴったりの言葉。優しい男たちだなぁ」と温かい気持ちで店を後にするふたりだった。

「やきとん 富久晴」の流儀

その壱

まずは創業以来の味を守る“やきとん”を食らうべし!

備長炭を使用して焼く“やきとん”は、創業以来変わらぬ味。コリコリした「なんこつ」と、やわらかい「たん」をまずは塩でいただく。お好みで自家製の辛味噌やネギタレをつければ、味変も楽しめる。
やきとん(塩)たん・なんこつ1本各140円(税込)

その弐

創業時からの人気メニュー“ニラ玉”を食らうべし!

ニラのおひたしに生卵の黄身を乗せた、創業以来人気のメニュー。たっぷりのニラに生卵の黄身を絡ませていただく。冷たくてさっぱりとした一品は、やきとんの箸休めにぴったりだ。
カレー400円(税込)

その参

〆には三代目オリジナル“スパイスカレー”を食らうべし!

大きな豚肉がゴロリと入ったスパイスカレー。ヨーグルト・酒・ハチミツで1日漬けた豚バラを使い、ブイヨンスープ・トマトペーストに5種類のスパイスを加えて約1時間煮込む。スパイシーながら辛すぎず、豚肉のおいしさが際立つ一皿。
カレー400円(税込)

きたろうさんから、富久晴へ贈る「愛の叫び」

常連さんに愛される大将 かわいい
歴史を守ってね!!

―――きたろう

「やきとん 富久晴」

住所
営業時間
定休日
東京都豊島区南大塚2-44-6
16:00〜23:00
日曜・祝日 ※営業時間は都の要請に応じて変更あり
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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