BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#422

三四郎

2023/4/1放送

放送10年目突入スペシャル!
初回放送の名店を9年ぶりに再訪!
老舗酒場の暖簾を守り続ける親子の物語

名物「くりから焼き」に舌つづみ

「夕焼け酒場」は放送10年目に突入! 今回は特別編として、第1回放送(2014年4月12日)の舞台となった東京都墨田区錦糸町の名店を再訪する。「素敵な女将さんがいるんだよ」と懐かしそうなきたろうさんと、「楽しみ!」とワクワクする武藤さんが向かったのは、昭和26年創業の「三四郎」だ。風格漂う暖簾をくぐると、「思い出していただけましたか?」と二代目女将の棚橋ケイコさん(77歳)が、9年前と変わらず元気な姿で迎えてくれた。お店を象徴する舟形の大きなカウンターも健在。夜ごとお酒好きが集まり、今も大盛況だ。9年前と変わったのは、消費税引き上げでメニューの値段が張り替えられたことと、女将の服装が和服から洋服になったこと! そして、息子の棚橋良一さん(51歳)が三代目を継ぎ、焼き台の前で腕を振るっている。さっそく、きたろうさんと武藤さんは、焼酎ハイボールを注文して、「今宵に乾杯!」

最初のおすすめは、「くりから焼き」。鰻を串に巻き付けて秘伝のタレで焼く名物料理に、武藤さんは、「蒲焼きとはまた違う!」と大喜び。「中が柔らかく、周りがパリっと焼けて、おいしいでしょ」と三代目主人の良一さんも胸を張る。

店は創業72年。終戦から間もない頃、初代夫婦がもつ焼き専門店として開業した。店名の由来は、夏目漱石の小説『三四郎』と、富田常雄の小説『姿三四郎』に登場する柔道家の名前で、当時のお客さんは「三四郎に行く」ことを隠語で「“道場”で待ってる」と言っていたとか! 52年前に嫁いできたケイコさんは、夫の顕(あきら)さんとともに二代目を引き継ぎ、50年以上、暖簾を守ってきた。そして、2年前、リタイアした顕さんに替わり、長男の良一さんが三代目を継いだのだ。そんな話を聞きながら、きたろうさんが、「女将、飲まないの? 飲みましょうよ!」と勧めると、女将は待ってましたとばかり、「じゃあ、喜んで!」。

次のおすすめは、開店と同時に注文が殺到する人気のもつ焼き、「たん(塩)」と「れば(タレ)」。肉厚で食べ応えたっぷりの「たん」は「噛めば噛むほど味が出る」ときたろうさん。70年以上継ぎ足されてきた秘伝のタレでいただく「れば」も絶品だ!

ここで、一回目の訪問をきたろうさんがどれだけ覚えているかを試す「三四郎クイズ」! 一問目は、「三四郎の檜カウンターは何を使って磨いているか?」だが、きたろうさんは全く記憶ナシ。正解は、「クレンザーで汚れを落としてから牛乳で磨く」とのことで、牛乳の脂肪分がワックスのような効果をもたらすという。

創業時から変わらぬ味! 「どぜう鍋」

続いては、「五色いも」を。すりおろした大和芋にマグロやタコ、イカなどをのせ、生卵と混ぜていただく。「一口でいろんな味がして楽しい!」と舌つづみをうつ武藤さん。二代目が考案した料理で、「何も足さず、何も変えてない(笑)」と良一さん。「まぐろぶつ」や「もつ煮」、「鶏竜田揚」など、様々なオススメメニューもそのまま引き継いだ。前の会社で約30年、調理師として働いていた良一さんは、「小さい頃から、跡を継ぐだろう、とずっと言われて育ってきたので、老舗店を継ぐことにプレッシャーはなかった」というが、「直後にコロナ禍になり、不安しかなかった」とも。そんな三代目の働きっぷりを、「いいんじゃない? とってもよく働いてる」と女将は満足気に見つめるのだった。

ここで、「アジフライ」が登場! 刺身用の新鮮なアジを使った贅沢な一品は、「ラードで揚げるから、カリッとするの」と女将。お客さんの多くがリピートするそうで、武藤さんも揚げたてアツアツにサクッとかぶりついて、「おいしい〜」と悶絶!

そして、「三四郎クイズ」二問目は、「第一回放送できたろうさんが叫んだ“いつもの一言”は?」。またまた、「全く覚えてない……」とタジタジのきたろうさん。女将が大切にとっておいてくれた色紙には、「三四郎は美しく飾らない!!」と書いてあり、懐かしさとともに、感慨深さもひとしおだ。

今でもほぼ毎日、店に出る女将だが、2年前に二代目の具合が悪くなり、一度は店をたたむことも考えたという。「これだけやりきったから、もういいんじゃないって。でもお客さんがね、『辞めんなっ!』って怒るの。『行くとこないじゃないか』って」。店を続けることを決めると、みんな喜んでくれたそうで、「一番良いのは、この人(三代目)が継いでくれたこと」と幸せそうな女将。良一さんは、「お母さんを目当てで来て下さるお客さんが、まだいっぱいいるんで、元気でなるべく長く働いてください!」。

〆には、創業時からの名物「どぜう鍋」を。甘辛い割り下で煮たどじょうを卵でとじる。「泥臭いイメージがあるけど、そんなこと全くないね」と感心しきりのきたろうさん。武藤さんも「しっかり味が滲みておいしい!」と大満足だ。

女将にとって、「酒場は、お客さんと一緒に作る場所。毎日のように来る常連さんが来られないときは、私たちが心配しないよう、ちゃんと欠席届出してくの(笑)」。きたろうさんは、「まさに道場だね!」と納得し、多くのお客さんに愛され続ける「三四郎」の魅力を改めて実感したのだった。

「三四郎」の流儀

その壱

まずはお店の名物“くりから焼き”を食らうべし!

串に巻き付けた鰻にタレをつけて焼き上げる。中は柔らかく、周りはパリッと香ばしい、絶妙な焼き加減がたまらない。くりから焼きの名前の由来は、倶利伽羅竜王(剣に巻き付いた竜)の姿と形が似ていることからといわれている。
くりから焼き1本450円(税込)

その弐

大和芋と鮮魚を使った“五色いも”を食らうべし!

すりおろした大和芋の上に、いくら、いか、まぐろ、たこ、キュウリ、生卵を盛り付けてあり、醤油を垂らしてよく混ぜていただく。大和芋と卵が具材に絡み、一口でいろんな味が楽しめる。
五色いも750円(税込)

その参

新鮮なアジを使った“アジフライ”を食らうべし!

刺身用の新鮮なアジを使い、180℃のラードで6分揚げる。揚げたてアツアツを一口かじれば、カリッと揚がった衣がサクサク! 新鮮な肉厚のアジはふわっとジューシーなおいしさだ。
アジフライ600円(税込)

きたろうさんから、三四郎へ贈る「愛の叫び」

三四郎に
三代目がいて良かった!!

―――きたろう

「三四郎」

住所
営業時間
定休日
東京都墨田区江東橋3-5-4
平日17:00〜22:00 土曜12:30〜17:00
日・祝
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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