BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#427

王子

すえひろ

2023/5/6放送

東京都北区王子で昭和23年創業!
四代続く老舗酒場を守り
歴史をつなぎ続ける男の物語

絶品! 「自家製あぶりチャーシュー」

今宵、きたろうさんと武藤さんがお邪魔したのは、東京都北区王子で創業75年目を迎えた老舗酒場「王子 すえひろ」。店を切り盛りするのは、リタイアした父親の跡を継ぎ四代目を任された手塚裕也さん(38歳)と三代目女将の母・ヒロ子さん(65歳)だ。昭和23年の創業以来、裕也さんの曽祖父母、祖父母、両親と、代々、夫婦で営んできたそうで、現在は裕也さんの交際相手も混みあう時間帯に手伝いに来ているという。きたろうさんと武藤さんは、「相当歴史があるね」と感心しながら、さっそく、焼酎ハイボールを注文して、「今宵に乾杯!」

最初のおすすめは、「すえひろ海鮮サラダ」。イカやサーモン、エビなどが入ったサラダの味を引き立てるのは、二代目(祖父)のレシピを受け継ぐ特製ドレッシング。すりおろした玉ねぎをベースにしたドレッシングに、「旨い! この辛みは、玉ねぎなんだ」ときたろうさん。武藤さんも、「海鮮にも野菜にも合いますね〜」と箸が進む。

続いての「特製つくね」は、軟骨と青じそ入りで、生卵の黄身を絡めて食す。きたろうさんは、「俺、卵好きなんだよ」とたまらない様子で口に運び、「柔らかいね〜!」と目を細める。三代目(父親)の料理を、「うろ覚えで私が再現しました」と言うご主人に、武藤さんが、「なんで直接聞かないんですか?」と突っ込むと、「仕事ではしょっちゅうぶつかってたんで、素直に聞けない……(笑)」と頭を掻き、「でも、仕事以外では仲がいい。音楽が共通の趣味で、一緒にバンドも組んでます」と笑った。

代々酒場を営む家庭に生まれ育った裕也さんだが、四代目を継ぐまでには様々な回り道があった。「当時は親父の背中を見て、かっこいいなと思って」と、中学卒業後すぐ、父親も修業した三重県の料理店に入るが、1年で逃げ出した。16歳から都内の酒場を転々とし、19歳の時に中学校の同級生と結婚。子宝にも恵まれる中、「家族を養う責任をすごく感じて。料理の仕事では給料も安いし、時間も長い」と、酒場の世界を離れ、運送会社に就職したのだった。

ここで、ご主人が運送業時代に研究を重ねたという「自家製あぶりチャーシュー」が登場! 使うのは、ご主人こだわりの豚肩ロース。表面に焦げ目をつけて醤油ベースのタレで約3時間煮込み、提供する直前にバーナーで炙って香ばしさを出す。「箸がピューっと入る柔らかさ!」と感心しきりのきたろうさん。武藤さんも、「トロトロで脂があま〜い」と頬が落ちそうだ。残念ながら、ご主人の結婚生活は11年で終わったそうで、「これが、結婚の成果です……」。

三代目考案の「特製焼うどん」に舌つづみ!

離婚後も運送会社で働き続けていたご主人が、家業を手伝い始めたのは31歳の時。「親父の体調が芳しくなく、店のこれからも考えて、一緒にやっていくことになった」という。もともと、17時〜21時までは父・裕彦さん(66歳)が、割烹料理店「寿恵廣」として営業していたが、21時からは、裕也さんが大衆酒場「すえひろ」として深夜1時まで営業することにしたのだ。割烹から酒場に変えることに対して、「親父は反対しっぱなしだった」というが、軌道に乗り始めると、父親に代わり、裕也さんが四代目として店を継いだ。きたろうさんは、「心底優しい息子なんだね。根底に父親への尊敬の気持ちがあるからね」と頷き、母親のヒロ子さんも、「息子が『俺がやる!』と言ってくれて本当にありがたかった」と実感がこもる。

次のおすすめは、「お刺身三種盛合せ」。この日は、ヒラメ(長崎県産)、インドマグロ、カツオ(三陸産)の三種。祖父の時代から通い続ける足立市場で50年近く付き合いのある仲卸から仕入れる鮮魚はどれも絶品で、「旨いねぇ」とため息がもれるきたろうさん。「カツオもおいしい! 味がぎゅっとしてる」と武藤さんも感激し、ご主人は、「市場に通い続けていると、とっておきのいいものを教えてもらえる。それが強みですね」と胸を張った。

75年前に曽祖母のマサさんが開業して以来、変わりゆく王子の街をずっと見守ってきた老舗酒場。その四代目を継いだ裕也さんが、今、大切にしているのは、「次につなげること。それをやるために生まれてきたと思ってます。今のままで満足せず、常に新しいものを追求していきたい」と語る。店のオススメメニューも、歴代から受け継ぐメニューを含め、「だし巻き玉子」、「山菜の天ぷら」、「鯵なめろう」など、垂涎ものの料理を揃え、常連客の胃袋を満たし続けている。

最後の〆は、父親から受け継いだ「特製焼うどん」。「これは旨いよ、旨いっ!」と絶賛のきたろうさん。武藤さんが、「なんかおしゃれな味がする!?」と言うと、「バター醤油ですね!」とご主人。バターでコクを出し、秘伝の出汁醤油で味付けしていると教えてくれた。

ご主人にとって酒場とは、「自分の全て」。きたろうさんは、「四代続くって本当にすごい。ビックリしちゃうよなぁ」と老舗酒場の歴史に改めて感じ入るのだった。

「王子 すえひろ」の流儀

その壱

二代目(祖父)から受け継がれる伝統の味“すえひろ海鮮サラダ”を食らうべし!

イカやサーモン、エビなどをのせたサラダに、二代目考案の特製ドレッシングをたっぷりかける。すりおろした玉ねぎにサラダ油、塩、胡椒、酢、みりん、昆布出汁、カツオ出汁などを加えて作るドレッシングは、海鮮にも野菜にも相性抜群!
すえひろ海鮮サラダ1,298円(税込)

その弐

三代目(父親)から受け継いだ味“特製つくね”を食らうべし!

軟骨とシソがアクセントの三代目考案のつくねを四代目が再現。タレをつけて焼いたつくねに生卵の黄身をからめていただく。柔らかくふわふわ食感のつくねにトロリとした卵がよくあう。
特製つくね616円(税込)

その参

運送業時代に研究を重ねた“あぶりチャーシュー”を食らうべし!

ご主人が10年以上研究を重ねて作り上げたというチャーシューは、箸がすっと入るほどの柔らかさ。豚肩ロースの表面に焼き色をつけて醤油ベースのタレで約3時間煮込み、提供する直前に表面をバーナーで炙って香ばしさをだす。良い肉が手に入らなければ作らないというこだわりの一品だ。
自家製あぶりチャーシュー814円(税込)

その四

二代目(祖父)から受け継ぐ新鮮な“お刺身”を食らうべし!

鮮魚は、祖父の時代から50年近く付き合いのある足立市場の仲卸から仕入れる。通い続けて築き上げた信頼関係で、よい魚も手に入るとか。この日は、ヒラメ(長崎県産)、インドマグロ、カツオ(三陸産)の三種盛り。どれも鮮度抜群で絶品!
お刺身三種盛合せ1,540円(税込)

きたろうさんから、すえひろへ贈る「愛の叫び」

先代があっての四代目
歴史は美しい。

―――きたろう

「王子 すえひろ」

住所
営業時間
定休日
東京都北区王子1-5-10
月〜土17:00〜23:00
日・不定休 ※営業時間は都の要請に応じて変更あり
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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