東京都杉並区高円寺の人気酒場
和服姿の若き美人女将が作る
絶品家庭料理に癒される!
まずは一番人気の「おから」を!
今宵の舞台、東京都杉並区高円寺で、きたろうさんと武藤さんがお邪魔したのは、住宅街にたたずむおしゃれな酒場「おさけと小料理non(ノン)」。グレーを基調としたモダンな店内で、和服姿の美人女将・国本美咲(みさき)さんに迎えられ、さっそく、ふたりは、焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。きたろうさんは、「女将、相当きれいだね〜」と目尻を下げ、武藤さんも、「女将さんに会いに来るお客さん、たくさんいそう!」と憧れの眼差しだ。去年30歳になったという女将に、「今どきの30歳はこんなに落ち着いてないよね!?」と、28歳の武藤さんと見比べるきたろうさん。一方、女将は、武藤さんを見つめて、「十夢ちゃん、大人になりましたね〜! もともとAKB大好きでよく拝見してました。顔面どタイプなので」と言って、武藤さんは、「えっ、うれしい……」と感無量だ。
さて、最初のおすすめは、一番人気の「おから」。小鉢に盛られた美しい彩りの「おから」は、具だくさんで優しい味わい。きたろうさんと武藤さんは、「おいしい!」と口を揃え、うれしそうにパクパク!
ところで、カウンターの上には、なぜか、おはじきがたくさん! 金額で色分けし、注文ごとにお客さんのトレーにおはじきを入れて、お勘定を計算しているという。きたろうさんは、「おしゃれだね!」と言いながら、冗談でおはじきを戻そうとすると、女将は「倍になって返ってきますよ〜」と笑顔でたしなめ、「受け答えも上手い!」と、きたろうさんを唸らせた。
店は創業4年目。26歳の若さで開業したと聞いて、驚くばかりのふたり。「オープン準備から全部ひとりで」と言う女将は、「一人分の生活費ならなんとかなるかな、と始めたら、みなさん優しくて。お客さんに助けてもらった4年間でした」と振り返る。
もともと音楽の教員を目指して大学進学したという女将だが、試験に落ちて断念。気持ちを切り替え、酒場を持つという新たな夢に向かって進み始めた。大学卒業後は大手飲食企業に就職し、25歳から神楽坂の日本料理店などで修業。「最初は新宿区荒木町(かつての花街で、昭和の風情を残す上品な酒場が集まるエリア)で店を出したかった」そうだが、物件がなく、範囲を広げて探すうちに、高円寺でこの物件と出会った。開業資金も自分で貯めたそうで、きたろうさんは、「店を出したいと思っている若い女性も勇気づけられるね」と感心し、女将も「そういう方たちのサポートもできれば」と頷くのだった。
春を感じる「アサリと菜の花の炊き込みご飯」で〆
次のおすすめは、「なすと豚肉の味噌炒め」。なすと豚肉、厚揚げ、ネギを炒め、カルダモンやクミンなどを加えたスパイシーな特製味噌で味付けする。「パンチが利いてておいしい!」と武藤さん。きたろうさんも、「組み合わせがいいね」と舌つづみ!
「もともと料理はあまり好きじゃなくて(笑)」女将。「でもお酒がとても好き。おつまみとしてお酒に寄り添える料理を出したい」と、オススメメニューも、「肉じゃが」、「アボカドと鯛のぬた和え」、「スナップエンドウとホタルイカの生姜炒め」、「納豆と高菜の巾着揚げ」など、どこかほっとするような家庭料理が並ぶ。
続いては、旬を迎えたホタテを醤油と山椒で香ばしく焼き上げた「ホタテの山椒焼き」を。海苔で巻いてパクリと噛めば、「ホタテが肉厚! 海苔があう」ときたろうさん。武藤さんも「山椒が利いてて、すごく爽やか」と感激だ。
店名のフランス語”non”は、”no(いいえ)”の意味。「一日の終わりに、“何もない”フラットな状態で楽しんでほしい」と名付けたという。開業当初からお客さんの入りもよく、「いきなりいらっしゃって、バラの花を1本くださった方もいました」と女将。これには、きたろうさんたちも、「いろんな人がいるね(笑)」と苦笑いだが、女将は、去年、店に通っていた常連さんの一人と結婚したとか! 「えっ、結婚してるの!?」と、ちょっとがっかりなきたろうさん。女将は、「結婚を機に、若干、常連さんが減って(笑)」と明かし、武藤さんは、「なんか、女将さんは、いい意味で“人たらし”な感じ!」と納得するのだった。
ここで、「豚ハラミの唐揚げピリ辛ポンズ」が登場! 唐辛子と自家製ポン酢で味付けした豚ハラミの唐揚げに、「サックサクでおいしい〜! ポン酢がかかってさっぱりしてる」と箸が止まらない武藤さん。
最後の〆は、「アサリと菜の花の炊き込みご飯」。アサリの旨みが利いた具だくさんの炊き込みご飯を堪能したふたりは、「アサリがいい味出してる」、「春を感じます!」と大満足!
「お店をやって後悔したことはないし、愛されるお店になればいいなと、日々頑張っている」という女将に、「もう非の打ちどころがない。弱点とかあるんですか?」と武藤さん。女将は、「不器用だし、短気だし。我が強いし」と笑いながら、「“お客様”というよりは、“お客さん”と思って接しています。崇めるというより、対等な立場でいられたら」。女将にとって酒場とは「家族になれる場所。常連さんたちの輪が広がって、”non”をきっかけに、その方の人生がちょっとでも豊かになれば、すごくうれしいですね!」。