BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2015/3/21放送 #43 かのや

名物酒場が居並ぶ激戦地・上野“安くて旨い料理で、元気を出してほしい”と出汁とマグロ一本買いで、勝負をかけるオーナー
60キロのインドマグロ一本買いで実現した奇跡のメニュー

上野の酒場には、ほかの場所には無い空気がある。名店と言われる酒場があちこちに点在し、ネクタイを締めたサラリーマンに、観光客やアメ横の買い物客が混じり、毎夜熱気に包まれる。店は総じて安く、お客さんの店選びもシビア。そんな激戦区に、昨年8月オープンしたばかりで、120席もあるのに、連日常連客で大盛況という大衆酒場「かのや」がある。きたろうさんと西島さんを迎えてくれたのは、キビキビと、しかし押し付けがましさのない、気持ちのよい接客をする若い店員さんたち。常連客と焼酎ハイボールで乾杯したところで、この店のオーナー、神農景元さんがにこやかに登場。早速、かのやのイチオシメニューをいただく事に。

「やっぱりマグロ! うちは60キロぐらいのマグロを一本買いしてますので、食べていただければ納得してもらえるはず。是非!」という社長に、驚くきたろうさん。「一本丸ごと買うとは、すごい金持ちなんですね」。やりとりから想像するに、一本百数十万。それを3種盛りでいただく事に。まず大トロを食べたきたろうさんは、「うまい! すごい脂。いやぁ、なかなかですよ。コレで1,280円? 大トロの美味しいところ一切れで、それくらいの値段するよ」と大絶賛。「マグロってみんな好きじゃないですか。でも、いいマグロを食べたいと思っても高い。(仕入れるにしても)築地は村みたいな感じですから、通わなくちゃ入れてくれない。じゃあ一本丸ごと買って安く提供して、ほかので儲けようと」と、オーナーは語る。

「かのや」の味とサービスの原点は、うどんとそばの「かのや」から

オーナーは28歳の時に脱サラし、わずか4坪のうどんとそばの店を開いた。その時にこだわり抜いて作ったのが、出汁だった。まだ関西風が珍しい時期に、瀬戸内産煮干しをベースに、白醤油などを加えた関西出汁のうどんは、大評判となった。その出汁は、酒場を始める時にも大きな武器となった。そんな酒場かのやの味の原点、うどん出汁を使ったおでん6品盛りをいただく。「大人なら最初は大根だよね」と、頬張ったきたろうさん。「うまい! この出汁が素材の味を生かしてるね」と、その染みる美味しさにえびす顔。

そんなうどん出汁を使った、今年の春の新作メニューが、えび真丈の木の芽あんかけ。新鮮なエビのすり身に自慢の出汁を加え、カラッと揚げた一品は、京都の料亭の一品と見紛うような上品な見た目。プリッとしたエビの食感に濃厚な旨味、そして木の芽の春の香りがたまらない。オーナーが全幅の信頼を寄せる板長の渡辺さんは、季節ごとに新しいメニューを加えるという。そうして店に歴史が刻まれていくのだ。「これからでしょうね。これから店を作り、歴史を作って行くんです」熱く語るオーナーを、「商売やって儲ける人は違うね」と、からかうきたろうさん。笑いに包まれていい気分のきたろうさんと西島さんは、最後にどうしても食べておくべき一品をお願いする事に。それはもちろん、うどん。

かのやのすぐ脇にある店に移動した2人は、油揚げなど8種類の具が乗った自慢のイチオシメニュー、特製かのやうどんをいただく事に。黄金色に透き通った出汁と、たっぷりの具。「これをシメに食べられるとは、幸せですね」という西島さんの言葉どおり、うどんと出汁が、やさしくお腹に染みわたっていく。オーナーは、このうどんとそばの店で、商売をするうえでの姿勢を学んだという。「ある常連さんがね、創業以来毎朝来てくれるんですよ。月曜日から金曜日まで、ずっと掻き揚げうどんを食べてたんです。それが数年前からかけうどんになったんです。それも一番席のはじっこで、鞄から申し訳なさそうに、手作りのおにぎりを出して食べられるんですね。本当は持ち込みはダメなんで、でも毎日来てるので……。あぁ、不景気なんだなって感じて。でもそれが嬉しくて、本当に涙がでて。ありがたい話で」だからこそ、安くて旨いものを食べて、お客さんに元気になって欲しいと考えたオーナー。そんな真っすぐで、強い思いが込められた店が、今夜も満員御礼。やっぱり上野のお客さんは、舌が肥えている。

かのやの流儀
その壱

板長の渡辺次郎さんが、厳選して一本買いするインドマグロ。そのマグロ3種盛り(大トロ、中トロ、赤身)は、ボリューム感もたっぷり。これで1,280円(税別)はお値打ち。
その弐

オーナーが掲げる店のコンセプトは明快。ズバリ、美味しいものを食べて欲しい!
その参

うどん出汁だけだと、味が優しくなりすぎ弱いので、おでんの出汁にはカツオを加えてパンチを出すのだという。おでん6品盛り590円(税別)
その参

季節ごとに新たなメニューを考案する、板長の春のオススメ。新鮮なエビのすり身に自慢の出汁を加え、カラッと揚げた一品。えび真丈の木の芽あんかけ390円(税別)
その参

とろろ昆布、油揚げなど8種類の具が乗った自慢のメニュー。特製かのやうどん500円(税込)
きたろうさんから、かのやへ贈る「愛の叫び」 オーナーの目に遠くを見る野望を見た  ———きたろう
「かのや」
住所
電話
営業時間
定休日
東京都台東区上野6−9−14 KTビル
03-5812-7710
11:00〜23:00
無休
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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