BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#433

睦乃家(ぼくんち)

二代目鉄五郎

2023/6/17放送

広告会社を辞めて42歳で酒場の世界へ!
人情味ある理想の酒場を目指し
歩み続ける親子の物語

「ごぼうのフリット」は女性に大人気!

東京都立川市にやってきた、きたろうさんと武藤さん。JR立川駅から向かった今宵の酒場は、住宅街にたたずむ「睦乃家 二代目鉄五郎」だ。趣のある渋い入口を入ると、店内は昭和レトロな雰囲気。ご主人の石渡土筆(つくし)さん(62歳)と息子の翔斗(しょうと)さん(33歳)が出迎えてくれた。「睦乃家」は「ぼくんち」と読むそうで、「二代目鉄五郎」は、飼っていた犬の名前だとか! 愉快なネーミングにわくわくしながら、ふたりは、焼酎ハイボールを注文して、「今宵に乾杯!」。

まずは、お通しの「自家製冷奴」から。しっかりした大豆の味に、「ミルキーな豆腐。適度に甘さがあっておいしい!」と、さっそく舌つづみを打つきたろうさん。ご主人も、「お通しがちゃんとしていると、後の料理に期待が膨らむでしょ!」と胸を張る。

最初のおすすめは、「ごぼうのフリット」。下茹でしたごぼうに衣をつけてカラっと揚げたフリットは、20センチほどのロングサイズ。シャンパングラスをペン立てのように使って提供するユニークな盛り付けに、武藤さんは思わず声をあげ、「衣はカリカリ、中は柔らかくておいしい〜。こういうの好きです!」と大喜びだ。

続いては、「刺身盛り合わせ」を。この日は、カツオ、金目鯛、アジ、インドマグロ、アカイカ。どれも新鮮そのもので、まずは、キラキラと輝くアジを食べて、「旨いよ、これは! 安いアジじゃないね」と、きたろうさん。武藤さんは、脂ののった金目鯛に「甘い! 煮魚のイメージがあるけど、お刺身もおいしい〜」と感激だ!

山口県周南市の出身のご主人は、大学進学を機に立川市で暮らし始め、卒業後は広告会社に就職し、17年間勤めた。就職して1年後には結婚し、子宝にも恵まれて順風満帆な日々を過ごす中、17年勤めた会社を辞めて酒場を始めた理由とは……。「学生時代、立川の駅前には酒場が軒を連ね、よくお世話になりました。常連さんに奢ってもらったり、いろんな人情に触れたり。“第二の自分の家”みたいな存在だったんです」。しかし、そんな人情味のある酒場が、時代とともに少なくなっていることに気付き、「自分が行きたいと思う酒場を体現したい」と、まずは板前さんを雇って、平成14年に最初の店を立川駅前で開業した。

念願の酒場のオーナーとなったご主人だったが、「理想とする店を作るのに、人任せでは何か違う」と思い始め、「じゃあ、自分でやろう!」と、自ら包丁を握り、厨房に立つことを決意。「釣りが趣味で、魚をおろすことはできた」そうで、寿司職人から技を学んだり、買い付けに行く市場で調理法を教わるなどして料理を勉強した。そして、オーナーとなってから9年後、店を駅前から現在の場所に移し、次男の翔斗さんとふたりで新たなスタートを切ったのだ。

二度楽しめる! 「活さざえのつぼ焼き」

野球をやっていたご主人が息子につけた名前は「翔斗(ショート)」だが、翔斗さん自身は「サッカーやってました」と笑う。大学生の頃、父親に頼まれてアルバイトを始めて以来、13年間、父親と共に働き、「大変な時もありますが、親父だから頼れることもある。昭和の男って感じで、仕事熱心なところは尊敬してます」と翔斗さん。「怒られることはない」そうで、「うるさく言うと反発する子だから」と父親の顔を見せるご主人に、きたろうさんは、「ショートがエラーしちゃうからね!(笑)」。

次にいただくのは、「白レバー」と「自家製つくね」。自家製タレをつけて、翔斗さんが焼き上げる白レバーは、「臭みがなくておいしい! タレともよく合う」と武藤さん。つくねも、「ふわふわっとジューシーで旨い!」と、きたろうさんも大満足だ。

料理のこだわりは、「基本的に素材がよければ、シンプルに料理するのが一番おいしく贅沢な食べ方」とご主人。オススメメニューも、「鯵のなめろう」、「海老マヨ」、「自家製銀鱈の西京焼き」など、素材にこだわった絶品料理が並んでいる。

さて、ここで「活さざえのつぼ焼き」が登場! 焼き上がる直前にニンニクチップを入れるそうで、武藤さんは、「こんなパンチが利いたさざえ、初めて!」と感激。残った出汁に、ごはんを詰めて再度炭火で焼けば、これまた、さざえの風味が利いた立派なおつまみになり、二度楽しめるというわけだ。

最後は、「すいとん」で〆。小麦粉と片栗粉を練って作ったすいとんを、鶏肉、しめじと一緒に醤油ベースの出汁でいただく。「さっぱりして、〆にぴったり」と、きたろうさん。武藤さんも「やさしい味。すいとんもモチモチ〜」とほっこり!

「息子さんに感謝してますか?」と聞けば、ご主人は、「ええ、まぁ。言いたかないですけど」と照れながらも認め、翔斗さんは、「親父のそもそもの夢は、自分の店のカウンターに座って飲むこと。それを叶えさせてあげたい」と、父親思いの優しさで応えた。ご主人にとって酒場とは、「みんなの家。肩肘張らず、そのままの自分で過ごせる場所」。まさに、「ぼくんち」なのである。

「睦乃家(ぼくんち) 二代目鉄五郎」の流儀

その壱

まずは女性客に一番人気“ごぼうのフリット”を食らうべし!

下茹でしたごぼうに小麦粉ベースの衣をつけ、180℃の油で約5分揚げる。カリカリ、サクサクの衣と、柔らかく茹でられたごぼうの食感が楽しい一品。20センチほどの長さのフリットをシャンパングラスをペン立てのように使って提供するのもおもしろい!
ごぼうのフリット680円(税込)

その弐

ご主人の目利きで選んだ新鮮な“刺身盛り”を食らうべし!

この日は、カツオ(宮崎県産)、金目鯛(銚子産)、アジ(長崎県産)、インドマグロ、アカイカ(神津島産)の5種類。キラキラと輝く脂ののったアジを始め、甘みを感じる金目鯛など、どれも鮮度抜群、絶品だ。
刺身盛り合わせ1,350円(税込)

その参

2度楽しめる人気メニュー“さざえのつぼ焼き”を食らうべし!

さざえを殻ごと網焼きにし、焼き上がる直前にニンニクチップを入れて風味付けする。身を食べた後に残った出汁にはご飯を詰め、出汁醤油を塗り炭火で焼く。さざえの味がしっかりと利いたご飯は、お酒のおつまみにぴったり!
活さざえのつぼ焼1,000円(税込)

きたろうさんから、二代目鉄五郎へ贈る「愛の叫び」

親子船
これからの航海が楽しみ

―――きたろう

「睦乃家(ぼくんち) 二代目鉄五郎」

住所
営業時間
定休日
東京都立川市曙町1-23-10
17:00〜23:00
日曜
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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