BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS
#439

山源

2023/8/5放送

東京都板橋区板橋で創業35年目
父親が作り上げた人気酒場を引き継ぎ
その味を守り続ける男の物語

感動的な旨さ! 絶品「ホルモン」

東京都板橋区板橋にやってきた、きたろうさんと武藤さん。今宵の酒場は、看板メニューのホルモン焼きをはじめ、安くておいしい料理が味わえる板橋の名店「山源」だ。入口の赤提灯を見て、「“ザ・酒場”ってイメージ」とワクワクしながら暖簾をくぐるふたり。レトロな雰囲気の店内で出迎えてくれた二代目主人の山口潤一さん(58歳)と母・ちゑ子さん(84歳)に、さっそく、焼酎ハイボールを注文して、「今宵に乾杯!」。

最初のおすすめは、「コメカミ(塩)」。お客さん一組ごとに炭をおこすのが先代からのスタイルだそうで、ご主人が運んできてくれた七輪の上で自分で焼いていただく。きたろうさんは、「贅沢だなぁ。期待値がどんどん上がる」と興奮し、武藤さんも、「おいしい! 噛めば噛むほど旨みが〜」と感激だ。

店は昭和63年創業。今から2年前に他界した先代主人の一男さんと女将のちゑ子さんが、ふたりで開業した。ちゑ子さんは、富山から上京して池袋で働いていた20歳の時、飲食店の従業員だった一男さんと出会い、「東京ってこんな綺麗な顔した男の人が居るのかしら」と、一目惚れ。1年後にスピード結婚し、5年後には長男の潤一さんが誕生。「山源」を開業したのは、ちゑ子さんが48歳の時だった。

ここで、店の看板メニュー「ホルモン」が登場! 創業時から変わらない特製タレで味付けしたシマチョウ(牛の大腸)とコプチャン(牛の小腸)は、「焼き方にこだわりがあるので」とご主人が焼いてくれる。「皮の方をカリッと8割焼いて、脂側は温める程度」がポイント。焼き上がったシマチョウのあまりの旨さに、きたろうさんは「なんだこれは!」と絶句し、武藤さんは、「ふわふわっ。こんな口いっぱいにホルモンが入ってるの初めて。うれしい〜」と大喜びだ。キャベツで口直しした後は、コプチャンを。皮の食感や脂がシマチョウとはまた違うそうで、「皮がパリッとしてる。脂も甘〜い」とうっとりする武藤さんである。

ご主人の潤一さんは、山源が開業する前に、高校を中退し、叔父が営む酒場で料理修業を始めた。しかし、「まだ若くて遊びたかった」と、23歳で辞めて、歌舞伎町のホストに! 「何も考えず、その日暮らしだった」というホスト時代の写真に、思わず声を上げるきたろうさんと武藤さんだ。そんな潤一さんは、27歳で結婚して子供が生まれたのをきっかけに、酒場の仕事に真剣に向き合い始める。「また叔父さんに拾ってもらい、一生懸命働きました。毎月小遣い3000円で(笑)」。そう聞いて、きたろうさんは、「人間って変わるもんだね〜」と、ちゑ子さんと頷きあうのだった。

「ビーフシチュー」はピリ辛味の変化球!

潤一さんが、ここ「山源」で働き始めたのは、40歳の頃。「お父さんがガンになってしまって。最初は店を継ぐ気はなかったんですが、手伝ううちに、みんなに愛されている店だなと感じて」と、父親の味を勉強し、二代目を継いだ。ちゑ子さんも「息子が来てくれてうれしかった。なにしろ真剣になってお父さんの味を覚えて。主人と全く同じ味です。それだけ一生懸命やったんですね」。

続いていただいく「もろきゅう」も、父親の味を受け継いだ特製味噌が味の決め手。生姜、にんにく、砂糖、コチジャンなどをブレンドした仙台味噌がきゅうりと相性抜群だ。

「タレや出し方など、創業当初から全く変わっていない」とご主人。「僕もいろいろ考えて、もっとこうしたらおいしくなるんじゃないか、とか思ったこともありますが、お父さんはいつも『いいものは変える必要ない』と言ってた」と、オススメメニューも、「ハツ(たれ)」や「レバ(たれ)」、「もつ煮込み」、「山源炒め」など、先代の味をそのまま引き継いだ料理がズラリと並ぶ。

さて、ここで「ビーフシチュー」が登場! こちらは、ご主人が考案した新たなメニューで、牛すじ肉とバラ肉に隠し味の粉唐辛子を加え、赤ワインとデミグラスソースで煮込んだピリ辛味。きたろうさんは「旨いっ!」と喉を鳴らし、武藤さんも、「ごはんにもお酒にも合いそう。おいしい〜」と舌つづみ!

最後の〆は、「焼き飯」。先代が、「肉を食べた後なので、〆には肉を使わない」と、ごはんと長ネギ、卵だけで作ったシンプルな焼き飯に、武藤さんは「香ばしい味がなんともほっとする」と大満足である。

「お父さんは、憎めない性格で、みんなから好かれる人でした。『山源』というお店を残してくれたことを本当に感謝してます」と潤一さん。三代目となる跡取りについては、「なんとか息子に継いで、『山源』をずっと残していきたい。息子も、『山源』はなくしたくない、と言っているので」。37歳で離婚し、子供たちを引き取って育ててきた潤一さん。大きくなった子供たちに「寂しい思いさせたね」と謝ると、「そんなこと一回も思ったことなかった」と言ってくれたと、うれしそうに話す。そんなご主人にとって酒場とは、「みんなが楽しみにしている場所。お客さんも、バイトの子たちも、店に来るのを楽しみにしてくれてる。そして、なにより、僕が楽しい!」と、父親譲りの笑顔が光った。

「山源」の流儀

その壱

まずは人気メニューの炭火焼き“豚のコメカミ”を食らうべし!

備長炭を使用し、お客さん一組ごとに炭をおこして七輪をテーブルに運ぶスタイル。塩で下味をつけたコメカミを自分で焼き、お好みでわさびか柚子胡椒をつけていただく。肉厚でボリュームたっぷりのコメカミは、噛めば噛むほど旨みがジュワリ!
コメカミ(塩)450円(税込)

その弐

焼き方にこだわった看板メニュー“ホルモン”を食らうべし!

ホルモンが売切れたらお店も閉めるという看板メニュー。シマチョウ(牛の大腸)とコプチャン(牛の小腸)の盛り合わせを、創業当時から変わらぬ秘伝のタレで食す。皮はカリッとよく焼き、脂側は温める程度に焼くのが、美味しく焼くポイントだ。
ホルモン600円(税込)

その参

ピリ辛味がクセになる“ビーフシチュー”を食らうべし!

父親の味を継承しながら、二代目主人が考案した新たなメニュー。牛すじ肉とバラ肉に隠し味の粉唐辛子を加え、赤ワインとデミグラスソースで約3時間煮込む。見た目とは違うピリ辛味で、常連客からも大人気の一品。
ビーフシチュー500円(税込)※要予約

きたろうさんから、山源へ贈る「愛の叫び」

親子の愛とシマチョウの味は
一生忘れない

―――きたろう

「山源」

住所
営業時間
定休日
東京都板橋区板橋1-22-10
17:00〜22:00
月曜
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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