放送450回記念は愛媛県松山市へ!
創業26年目の人気酒場で味わう
松山近海の新鮮魚介を使った名物料理!
絶品「天然鯛の昆布〆」に舌つづみ!
今回は、放送450回記念・愛媛県松山スペシャル! 松山城を訪れたきたろうさんと武藤さんが向かった今宵の酒場は、松山近海の新鮮な海の幸が味わえる「酒菜 ゆうじろう」。店を切り盛りするのは、ご主人の兵頭裕次郎さん(49歳)だ。「石原裕次郎を想像しちゃうと、全然イメージ違うね(笑)」と言うきたろうさんに、ご主人は「兄ちゃんが慎太郎で、ワンセットで名付けられた」と苦笑い。アットホームな雰囲気のなか、さっそく、ふたりは焼酎ハイボールで、「今宵に乾杯!」
最初のおすすめは、愛媛県来島(くるしま)で水揚げされた天然鯛を使った「鯛の昆布〆」。つやつやと美しい鯛の刺身は、昆布の旨みをたっぷりと含み、「やっぱ、昆布で締めると旨いねぇ」と感激するきたろうさん。武藤さんも「これは、おいしい〜!」と目を細める。
松山で生まれ育ったご主人は、高校卒業後、松山市内の料亭で修業を開始。「早く働きたかったんです。実社会に出て、自分で自由になるお金を使いたかった」と言う。高3の時には「ふぐ取扱者免許」も取得し、平成10年に24歳という若さで「ゆうじろう」を開業した。高校時代は勉強嫌いだったというが、「今は、お客さんが人生を教えてくれる。少しずつ知恵と知識をつけていかんと」と、にこやかに笑うご主人だ。
次にいただくのは、「牛テール煮込み」。開店1年目に「店の名物を作ろう」と考案したそうで、トロトロに煮込まれた牛テールはスプーンで簡単にほぐれるやわらかさ。きたろうさんは、「とろけるね〜。スープも旨い!」とため息まじりに味わい、武藤さんも、「牛肉ってこんなに柔らかくなるんだ!」と感心するばかり!
「最初の3ヵ月は記憶もないくらい」と開業当初を振り返るご主人。24歳という若さゆえ、お客さんの多くは年上で、怒られることも多かったとか。お客さんのアドバイスを謙虚に聞いて、自分なりに活かしていったが、「料亭で修業したなら、料亭の料理を出して」とお客さんがハードルを上げてきたときは、「ここは居酒屋なんで、お酒と料理の相乗効果で食べてもらいたい」と、自分の思いを貫いた。そんな店の常連客には高校時代の同級生もいて、この日も2名の同級生が来店中! ご主人について伺うと、「勉強はできなかったね」と笑い、「この店の魅力は、素直で頑固な裕次郎に会えること!」などと話してくれた。
隣接するおでん専門店から母の味を!
さて、続いていただくのは「おでん」! 実は同じ敷地内におでん専門の酒場「呑気」が併設されていて、2つの店舗は店内からも行き来できる。「呑気」を切り盛りするのは、ご主人の母・百合子さん(77歳)だ。25種類のおでんから好きなものを選び、「ゆうじろう」で食べることも可能で、きたろうさんは「大根、じゃがいも、ぎんなん」、武藤さんは「さといも、こんにゃく、大根」をチョイス。からし入りの自家製おでん味噌をつけていただけば、「出汁がうまい!」、「味噌もおいしくて、大根も味が滲みてる〜」と大満足のふたりである。
「呑気」は、「ゆうじろう」を始めて2年後に開業した。「ちょうど隣のテナントが空いたので、働いていなかった母に、おでん屋でもするか?と勧めた」というご主人。息子たちに慎太郎・裕次郎と名付けた父親の明彦さん(享年52)は、ご主人が20歳の時に亡くなり、残された百合子さんは、「誰も頼る人がいないので、息子が全部考えてくれて。私が働けるように、ここを作ってくれたんです」と感謝する。さらに、「息子が小さい時から、彼のやることに何も反対したことがない。こんないい子がいるんかな、と思って育てました」と言い、酒場開業時も、「もし店がつぶれたら、私が働いて借金を返そうと思った」と明かすのだった。
ここで、「たこの天ぷら」が登場! 松山近海で水揚げされた新鮮な地ダコの旨みを堪能できる一品に、「衣がサックサク! でもタコはやわらかい!」と舌つづみを打つ武藤さんだ。
店をやる上でご主人が大切にしているのは、「何でも一生懸命すること。それは、お客さんに伝わるはず。一回だけでなく、リピーターとして次も来てもらいたいし、そこから枝葉が生えるように広がっていってほしい」。そんな思いで提供するオススメメニューには、「ふぐ刺し」、「じゃこ天」、「鯛のしそ巻き天」、「自家製からすみ」、「ホータレ(カタクチイワシ)南蛮漬け」など、松山の海の幸を味わえる絶品料理が目白押しなのだ。
そして、〆の一品は、愛媛県名物「鯛めし」。土鍋の蓋を開けると鯛の香りが立ち上り、「鯛の身がいっぱい! 贅沢だなぁ。松山に来てよかったね!」ときたろうさんは大興奮。武藤さんも、「おいしくて幸せ〜。特別感がありますね」と、うっとりしながら味わい尽くした。
「“現状維持”は“衰退”だと思ってるので、店をより良くしていきたい。若い人たちに“和食の板前”をかっこいいなと思ってもらえるといいですね!」。そう話すご主人にとって、酒場とは「色々な人と出会えて勉強になる場所」。ご主人の生き方からも学ぶことが多そうである。