見た目に驚き! 味に感動!
東京都品川区五反田の人気酒場
日本とベトナムで暖簾を守る男たちの物語
芋が屹立!?「名物! いもたろう」にビックリ!
今宵の舞台は東京都品川区五反田。JR・都営浅草線・東急池上線 五反田駅から、きたろうさんと武藤さんが訪れたのは、創業18年目を迎えた「五反田 居酒屋 いもたろう」。店内は、お客さん同士の仕切りを置かない開放的な雰囲気で、「“みんな友達になれ!”って感じだね!」と、うれしそうなきたろうさん。ご主人の武田雄(ゆう)さん(45歳)は、「それがコンセプトです!」とにこやかな笑顔を見せ、ふたりは、常連さんと一緒に焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」。
最初のおすすめは、店の名物「いもたろう」。運ばれてきたお皿には、半分に切って丸ごと揚げた巨大なさつまいもが屹立!? 「わー、びっくりした!」、「どうやって食べるの!?」と驚きが止まらないふたり。厨房で食べやすくカットしてもらい、さっそくいただくと、「皮がサクサク! 旨いねぇ」ときたろうさん。お好みでハニーマヨネーズをつけて食した武藤さんも「合いますね! おいしい〜」と感激だ。
ご主人の武田さんは、「両親が共働きだったから自分でご飯を作るようになって、料理の楽しさを知った」と言い、飲食業界で働くのが小さい頃からの夢だったとか。専門学校を卒業後、都内の和食料理店で修業し、自分の店をもったのは、平成18年。28歳の時だった。開業にあたっては、路面店にこだわって探したそうで、「当時は周辺に店が少なかったものの、開業当初からお客さんの入りもよかった」という。隣の大崎方面から五反田に向かう際に人目につきやすい立地だったのと、間口が広く開放的な店の造りもあり、お客さんが入りやすかったのだろう、と教えてくれた。
ここで、次のおすすめ「牛すじおでん大根」が登場! またまた、20センチもあろうかという巨大な大根がドン! 「笑わそうとしてんだろ!! いもと見た目が同じじゃん(笑)」とウケまくるふたりに、「立たせるのが大好きで」と、いたずらっぽく笑うご主人。強烈なインパクトの見た目に負けず、お味も絶品で、武藤さんは「味が滲み滲みでおいしい〜」と喉を鳴らし、きたろうさんも「これはちゃんと時間かけて作ってるね」と感心しきりだ。
ナポリタン? 焼きそば? 「ナポリタン焼きそば」!
ところで、もともと「いもたろう」は、ご主人がアルバイトをしていた飲食店の先輩・吉村真太郎さん(46歳)と2人で開業したそうだが、吉村さんは、現在、ベトナムにある「いもたろう」で働いているという! その吉村さんにビデオチャットをつなぐと、「シンチャオ、こちらは、ベトナムのホーチミンです」とご登場! ホーチミンに出店したのは、「五反田の店をデザイン設計してくれた方がホーチミンで仕事をしていて。そこに遊びに行ったのがきっかけ」だとか。もともと海外で店をやりたくて、「武田に懇願して(笑)」、平成24年にホーチミンへの出店が実現した。ちなみに、ベトナムの「いもたろう」で人気のメニューは、五反田の店でもいただける「豪快!ひなどり唐揚げ」や、地元のベトナム人に人気の「紫芋スティック」とのこと。「おかげさまで、五反田の店と同じようにお客様に愛されながら奮闘中です!」と吉村さん。出会いから25年、ふたりは、約4300㎞離れた日本とベトナムで、それぞれの「いもたろう」を守り続けている。
続いては、開業当時、吉村さんと試行錯誤を続けて作り上げたという「宮崎日南鶏岩塩焼き」を。鉄皿の上でジュージューと音をたてる日南鶏は、皮がパリッと香ばしく、「旨いなぁ〜」と唸るきたろうさん。武藤さんも、「皮からどんどん旨みが出てくる〜」と舌つづみ!
現在、厨房で腕を振るう料理長の寒河江唯之(さがえ ただし)さん(54歳)は、この道33年。ご主人を陰で支える頼もしい存在だ。「大将は、仲間を大事にする方。“人たらし”ですね(笑)」と寒河江さん。ご主人も寒河江さんに全幅の信頼を置き、メニューもふたりで考案するそうで、「寒ぶり刺身」、「ねぎトロと生ゆば巻き」、「たっぷりキャベツのお好み焼き風オムレツ」など、常連客の舌を唸らせる絶品料理が並んでいる。
常連さんにも店の魅力を聞いてみると、「アットホームで、社長も料理長もすごい素敵!」、「飯が旨くて、来たら誰かしら知り合いがいる」と、みなさん楽しそうに話す。「全員知り合いっていう感じですもんね」と納得する武藤さんに、きたろうさんは、「公民館に来たみたいだもんね(笑)!」
最後の〆は「ナポリタン焼きそば」。焼きそばの麺を使ったナポリタンで、隠し味には焼きそばソースも! 武藤さんは、「ナポリタンの味だけど、ちょっと懐かしくて親しみやすい感じ!」と大満足。きたろうさんも、「メニューにあったら、なにこれ?って頼みたくなっちゃうよね。 〆にちょうどいい!」と箸が止まらない。
ご主人にとって、酒場とは「憩いの場で、明日の活力につながる場所」とのこと。きたろうさんは、「いいね〜」と言いつつ、「ほんと、当たり前な答えだね(笑)!」とツッコんで、「でも、本当にそういうことだもんね。しょうがないよ!」と満足げに頷いた。