酒場激戦区・東京都目黒区中目黒
17年間料理講師を務めた女将が作る
ジャンルを超えた絶品創作料理!
お酒がすすむ! 大人気の特製オリーブ醤
今宵の舞台は東京都目黒区中目黒。きたろうさんと武藤さんが向かったのは、中目黒駅(東急東横線・東京メトロ日比谷線)から徒歩約7分。アイデア満載の創作料理が味わえる店「酒とつまみ じょうご」だ。創業4年目を迎えた店をひとりで切り盛りするのは、女将の山田尚子(しょうこ)さん。店名の由来は、女将の名前「しょうこ」と「上戸(酒好き)」だとか! カウンター4席、テーブル6席のアットホームな店内は、常連客で賑わい、きたろうさんと武藤さんも、さっそく、焼酎ハイボールを注文して、「今宵に乾杯!」。
最初のおすすめは、「真鯛の刺身 オリーブ醤」。ブラックオリーブベースの特製オリーブ醤は、「この醤だけでもお酒がすすむと好評です」と尚子さん。きたろうさんも一口食べて、「これだけで完璧なつまみ! 野菜なんかにも合うよね」と絶賛!「卵かけご飯とオリーブ醤」が大人気というのも納得だ。
錦糸町生まれの尚子さんは、子供の頃から料理の研究が好きで、小学校の頃のあだ名は「料理博士」! 高校卒業と同時に調理師免許を取得すると、18歳で憧れの料理人となり、都内の居酒屋やイタリア料理店で修業を重ねた。しかし、「労働時間があまりに長くて過酷。料理は好きなのに、辛くなって……」と体調を崩し、料理人を続けるか迷うように。そんな中、声がかかったのが、講師の仕事だった。平成15年から料理教室の講師として働き、5年後には独立。自分の料理教室を開業して多くの生徒を教えた。
「彼女も生徒さんだったんですよ」と、尚子さんが紹介してくれたのは、来店していた常連さんのひとり。お話を伺うと、「今もたまに先生って呼んじゃうんですけど」と笑いながら、「尚子さんは本当に知識が豊富だし、あんなに細いのに卵を泡立てる力がすごかった」と振り返ってくれた。
続いていただくのは、イタリアンと和食を融合した「モッツァレラチーズの酢味噌」。「酢味噌とモッツァレラ!?」と半信半疑で食べたきたろうさん、「これはおつまみになる!」とびっくり。武藤さんも、「味噌のパンチが利いてますね! からしもアクセントになってる」と気に入った様子だ。
平成27年には、料理教室を続けながら、40歳で結婚。生徒数も増え、仕事は順調だったが、43歳の時、ある思いが芽生えたという。「料理教室ではレシピを作って生徒さんに教えたら、それで終わり。もう誰にも食べてもらえない。もっといろんな人に食べてもらいたくなって」と、順調だった料理教室を自ら閉鎖し、45歳で酒場を開業したのだ。「酒場こそ、お客さん同士が肩を寄せ合い、わいわい楽しく飲むところ。そんな場で、自分が作る料理を食べてもらい、おいしいと言ってもらえる! 楽しいです!!」と目を輝かせた。
絶品「砂肝のコンフィ」に感激!
次は、料理講師時代、同僚の中華料理のシェフから教わったという「鶏肉の山椒胡麻だれ」を。鶏肉を花椒や紹興酒、香味野菜などと煮て、余熱で熱を通し、柔らかく仕上げた一品に、「お肉がしっとり柔らかい〜。山椒が利いていて大好き!」と、大満足の武藤さんである。
料理のこだわりは、「“うちの店っぽい味”を出すこと」と尚子さん。「講師時代に出会った料理人が、『一つの料理を食べたら、それをもとに、自分なりの料理を3品考える』と教えてくれて、それを実践しています」。そうやって考案したおすすめメニューには、「水タコの玉ねぎソースカルパッチョ」、「しらすと大葉とチーズのオムレツ」、「白子のフリット・辛ネギたれ」、「豚バラ大根の和風カレー炒め煮」など、「じょうご」ならではの絶品料理がズラリ並ぶのだった。
ここで、「砂肝のコンフィ」が登場! 油で約2時間煮込んだ砂肝に、きたろうさんは、「砂肝ってこんな柔らかくなるんだ! プロの味だね。旨いっ!」と感心し、武藤さんも、「すごく柔らかいし、おしゃれな味がする」と目を細めた。
オープンしてまだ3年ながら、尚子さんの明るく前向きな人柄で、常連客に愛される人気店となった「じょうご」。常連さんのひとりは、「料理はもちろんですが、尚子さんがいつも笑顔で、本当に楽しませてくれる。元気になれるし、みんなが大好きな店」と話す。また、一人で通いはじめた常連さんもいて、尚子さんは「席がこれだけなので、一人で来ても、みんなと親しくなれる。オープンしてまだ3年ですけど、もう4組もカップルが生まれて、1組は結婚されました!」と、うれしそうに話してくれた。
最後の〆は、「サルシッチャのクリームパスタ」。イタリアのソーセージ・サルシッチャの中身を手作りし、それをフライパンで焼いてパスタソースに加える。「パスタにソーセージの旨みがしっかり! おいしいですね〜」と大満足の武藤さん。きたろうさんも、「旨いっ、いや旨いなぁ」と唸るばかり!
「今後、3店舗くらい出店するのが夢。料理を通して楽しめる場所をもっと増やしていきたい」。そう話す尚子さんにとって、酒場とは、「パワーチャージできる場所」。「わざわざ足を運んでもらう空間だからこそ、人としゃべったり、食べて飲んで、パワーアップできるのが酒場の醍醐味だと思います!」。