東京都台東区御徒町で創業23年!
この道30年の二代目主人が
料理と気遣いで守り続ける人気酒場
目利きが冴える!「刺身盛り合わせ」
きたろうさんと武藤さんがやってきたのは、“アメ横商店街”が有名な東京都台東区御徒町(おかちまち)。JR御徒町駅から徒歩5分。ビルの地下の隠れ家のような「さかな家 嬉八」が、今宵の酒場だ。アットホームな雰囲気の店内で、穏やかな笑顔で出迎えてくれたのは、二代目主人の古川宜見(よしみ)さん(52歳)。さっそく、ふたりは焼酎ハイボールを注文して、ご主人も一緒に「今宵に乾杯!」。
最初のおすすめは、「日替わり前菜サラダ」。この日は、自家製小松菜ドレッシングでいただくローストビーフのサラダで、「こんな立派なローストビーフが!」と興奮気味のきたろうさん。武藤さんは、りんごと玉ねぎを加えて作る小松菜ドレッシングに、「フルーティーでおいしい〜」と感激する。
荒川区で生まれ育ったご主人は、大学卒業後、一度は印刷会社に就職するも、もともと料理好きだったこともあり、半年で転職。22歳から都内の和食料理店で料理人を目指し修業を始めた。平成13年には、沖縄料理をメインとした「嬉八」の創業と同時に、板長として招かれ、今から7年前、先代オーナーの引退に伴い、二代目を受け継いだのだ。
続いてのおすすめは、「刺身盛り合わせ」。毎朝、足立市場に足を運ぶご主人は、卸業者も一目置く目利き。新鮮な魚を厳選し、「毎日通うのは大変ですが、美味しいものを安く提供したいので」と胸を張る。そんなお眼鏡にかなったこの日の刺身は、鯛(愛媛県産)、ブリ(小田原産)、メジマグロ(北海道産)。きたろうさんは、「切り方が大胆! 旨いな〜」とじっくり味わい、武藤さんは「鯛の上品な甘みがおいしい〜。こんなに口いっぱいに味わえるなんて、幸せ!」と目を細めた。
もともと沖縄出身の姉妹が創業した「嬉八」は、沖縄料理中心の店だったが、ご主人が二代目を継いだ7年前からは、魚料理をメインとした大衆酒場に舵を切ったという。「最初の3ヵ月くらいは全然ダメで。不安で不安でしょうがなかった」とご主人。今では、多くの常連客から愛される人気酒場となったが、「何がきっかけで?」と尋ねると、「強いて言えば、私の接客ですかね? お客さんとなるべくコミュニケーションとるようにしていて、最初の注文は必ず私が聞きにいきます」とニッコリ。「職場が近いなどの立地で来てくださるお客様、料理が好きで来てくださるお客様、それから、僕のことが好きで来てくださるお客様。その3種類ですね」と言い、「うれしかったことは?」という質問に、「今日が一番ですよ!」と、武藤さんにほほ笑みかける。これには、きたろうさんも思わずニヤつきながら、「でも、こういう人柄に、みんな安心するんだろうね」と納得。常連さんたちも「大将の人柄が魅力。ずっと笑顔で、あの感じ。安心感がある」と口を揃えた。
脂がのった絶品「極上サバ焼き」!
ここで登場したのは、店の看板メニュー「極上サバ焼き」。ご主人が厳選した、脂ののった鯖を香ばしく焼き上げれば、まさに“極上”の味わい! 「おいしい〜。脂がすごい! 身もふわふわ!」と舌つづみをうつ武藤さん。きたろうさんも、「旨いねぇ。確かにこれは極上だ」と感心するばかり!
ご主人のこだわりは、「お客様の好みを覚えて、それに合わせて料理を作ること」。今も師匠と慕う、かつての修業先「三忠」の佐藤由之さんの影響だそうで、「仕事に対する姿勢や、魚の目利き、料理とはどういうものかを勉強させていただきました」と感謝を忘れることはない。
また、ご主人は、「新しい料理も常に取り入れたい」と、魚料理以外のメニューも豊富に揃えており、次にいただく「若鶏の竜田揚げ」は、隠し味にごま油を使った香ばしい風味の人気の一品。「味付けがしっかりしていて、ごはんにもお酒にも合う!」とチューハイをグビグビ飲みながら、箸がとまらない武藤さんだ。
ここで、従業員の西野美海さん(22歳)にも話を聞くことに。東京藝術大学入学のために上京し、「嬉八」で働き始めて約2年。「大将は“東京のお父さん”。初めての方とも隔たりなく話すところを私も見習いたい」と言う。大学では日本舞踊を専攻しているそうで、「ちょっとだけ踊ってみて」というリクエストにサラリと応えると、きたろうさんは、今日一番のテンションで大喜び!!
最後の締めは、創業時から続く人気メニュー「沖縄そば」。きたろうさんは「これは、どんどんいくな!」と箸が止まらず、武藤さんも、「スープの味が上品」と喉を鳴らす。「スープは、昆布や椎茸、鰹節などから取る純然たる和食出汁。豚で取る出汁より臭みがなく、親しみやすい」と、こだわりを語るご主人だった。
と、ここで、酒場ではちょっと珍しいデザートが登場! 試食したご主人の娘さんも太鼓判を押したという「自家製バスクチーズケーキ」だ。武藤さんは「急にカフェに来た気分」と目を輝かせ、「甘すぎず、さっぱりしていて、いくらでも食べられる〜」と満面の笑みだ!
ご主人にとって酒場とは、「日々の仕事の疲れを心身ともに癒す場所であり、長居すると心身ともに疲れが残ってしまう諸刃の剣(笑)」。きたろうさんは、「確かにそうだね」と頷いて、「飲み過ぎないってことだね!」と締めくくった。