BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2015/4/25放送 #48 くらら

大衆酒場の激戦地・高円寺で試行錯誤の末にたどり着いたオリジナル絶品料理に舌鼓
失敗を重ねながら生み出す、オリジナルの一皿

中央線高円寺。生活に根ざした住宅地であり、同時に多くの若者が集うこの街は、酒場の激戦地でもある。そんな中央線の高架下で、店を開いて10年になる「くらら」が今回のお店。きたろうさんが、店名の由来を訊くと、「漢字で、食べるに楽しい楽しい、で“食楽楽(くらら)”にしたんですけどね、ひらがなの方が楽しいかなと思って」と、ご主人の新井秋夫さん。そんなご主人の作る料理は評判を呼び、カウンターとテーブル席には、連日、食べる楽しみを求める常連さんでいっぱいに。しかも常連さんには若い女性が多く、乾杯の音頭をとるきたろうさんの顔も明るい。

「ちょっと面白いワンタンがありますんで」と、ご主人が出してくれた最初の一皿は、なんとネギトロの皿ワンタン。西島さんは「すごくスパイシーで、アジアの匂いがする。コレは若い人には、よりハマりますよ」と絶賛。ワンタンと聞いて揚げ物を想像していたきたろうさんは、想定外の一皿に「既成のものじゃない何かを、ちゃんと出そうという意思が見えるね」と、ご主人を褒める。

次の一皿もご主人のオリジナル料理で、京都塩昆布と冷や麦の冷製パスタ風。これを一口食べて「冷や麦もうれしいだろうなぁ、こんな料理にされたら。本望だよ。俺はこんな味なんだぜってさぁ」と、これまたきたろうさんが大絶賛。これまでの経験で“コレとコレを合わせたら美味しいのでは?”と、アイデアが浮かぶと言うご主人。失敗の方が断然多いと言うが、そうした積み重ねが、評判の味を生むのだ。

そしてこの店の味を支えるのが、多くの人の協力。人気メニューの「秩父ネギたれ焼き」は、ご主人のお父さんが育てたネギを使用。その食感はシャキシャキで、西島さん曰く「ネギのキツい感じが全然ない!」。その自然な甘みと、手羽先の骨から取った自家製のタレは抜群の相性。少しでも息子の力になりたいと、精魂込めて育てられた秩父ネギの味は、ここでしか食べられない味だ。

明るく前向きな妻の後押しで切り抜けた辛い日々

そして、この店とご主人を誰よりも支えてくれたのが、奥さんのかおりさん。かつてご主人が、ホテルの洋食部門で働いていた時に知り合い、彼女の通う大学が近くにあった高円寺でよく遊んだと言う。その後、ご主人は銀座の多国籍料理店や沖縄料理店で修業を積み、平成17年に結婚。しかし、その数ヶ月後に働いていた店が閉店。奥さんの明るく前向きな姿に励まされ、今の店を開く事になった。「勇気が要りましたよ。腕に多少の自信はありましたけど、不安でしたね」というご主人。「オープンの時の気持ち、覚えてます?」と、きたろうさんが訊くと、「思い出したくないです(笑)。大変でした。もう毎日(奥さんと)反省会ですね。怒られますよぉ。全然お客さんが来ないから、お金が底をつくしね。自信無くしちゃって辞めようとも思いました。思いとどまれたのは嫁さんの力ですよね、一丁、頑張れと……」。これを聞いて「いい女房もらったね。絶対、旦那は何とかなるって、どっかで思ってたんだよね」と、しみじみしつつ「で、浮気した事無いの?」と訊くきたろうさん。ご主人の「無いです!」という即答に、店じゅうが笑いに包まれる。

最後に常連さんが食べている、この店の看板料理「もつ鍋」をいただく事に。「このもつ鍋の色合いがいいね。料理は目で食べるって言うけど、見るからにおいしそうで。いやぁスープもうまいね」と、きたろうさんが褒めるスープは、ホテルの洋食部門で働いていた時に習得したブイヨンのノウハウをいかしていると言う。「もつ鍋にしてはあっさりしてるこのスープ、なかなか無いですよ」とは西島さん。試行錯誤の末に、ご主人がたどり着いたこのスープは、極上ラーメンのスープに似て、最後の一滴まで飲み干したくなる。このスープがこんなにも優しい味なのは、長い修業時代と、オープン以来の苦労が、その味の角を削り取ったからに違いない。

くららの流儀
その壱

ツルツルの皮で包まれているのは、肉ではなくネギトロ! スパイシーな味付けも絶品。ネギとろ皿ワンタン460円(税込)
その弐

塩昆布からの塩気、うま味であっさりと仕上げた冷や麦。京都塩昆布と冷や麦670円(税込)
その参

お店を応援してくれる、ご主人のお父さんが作った新鮮なネギを使用。秩父ネギたれ焼き310円(税込)
その四

洋食を学んだご主人が、ブイヨンなどスープにこだわって作った看板料理。定番もつ鍋1,230円(1人前・税込)
きたろうさんから、くららへ贈る「愛の叫び」 食が楽しい楽しいくらら 僕も食楽食楽(くらくら)  ———きたろう
「くらら」
住所
電話
営業時間
定休日
東京都杉並区高円寺南3−68−1
03-3336-2342
18:00〜深夜2:00
月曜
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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