BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2015/5/2放送 #49 ゆきみさけ

身近な人から笑顔にすればいつか故郷の人々の笑顔につながる女将が作る幸せの家庭料理
芯の強さが窺える切り返しも、美人女将の魅力

今回訪れたのは、中野駅北口のアーケードを抜け、細い階段を上がった2階にある酒場「ゆきみさけ」。店は上品そうな中高年の常連さんで埋まり、おばんざいの大皿で埋まったカウンターでは、女将の渡邉祐紀さんがテキパキと店を切り盛りする。西島さんが「女将さん、美人ですよね」と言うと、「ありがとうございます。美人と言われた時は、親に感謝しております」と答え、「美人と言われて“いいえ”と謙遜しないタイプなんだ」と、きたろうさんがチクリと返せば、臆する事無く「ええ、親に感謝でございます」と返す女将。

焼酎ハイボールで乾杯すると「お通しを頼んでいただくんですけど、皆さん好き嫌いがあるので、本日のおばんざいからお好きに選んでもらいます」と女将。約10種のおばんざいから、きたろうさんは「にしんのさんしょう煮」、西島さんは「切りこぶとさつま揚げの炒め煮」を注文。女将が一人で作るというおばんざいは、どれも絶品。きたろうさんは「一品の量が多いのは・・・。ちょこちょこ食べたいんだよ」と。すると女将が「私はお通しが少なくて、まずくて季節感が無い店が大嫌いなんですよ」とピシャリ。これにはきたろうさんも「ああ言えば、こう言うタイプ」と、一本取られた様子。続いて頼んだ鹿児島産の生かつお刺(1,000円・税別)も、「薄切りのかつおなんて、美味しくないでしょ」と、ざっくり厚切りでボリューム満点。この女将にはかなわないと、きたろうさん「女将は豪快だねぇ」と降参!

女将はもともと福島の生まれで、この店をオープンしたのも東日本大震災がきっかけだった。「あのとき私は無職だったんです。ボランティアに行きたかったんですけど、うちの母親に“来なくていいから、東京で頑張ってくれ”って言われて。でも、東京で頑張るっていったって何を頑張れば……と思った時に、東北の人にできない替わりに、身近な人に何かやろうと。何が出来る? 資格も何も無い。料理しか出来ないと思って店を始めたんです。みんなに喜んでもらって、その喜びが巡り巡って東北に届いたらいいなと思って」。店を始めるにあたり「始めた以上は、今まで自分が夜飲んでいた事とか遊ぶ事、全部やめて(店を)やろう」と決意。しかし、この3年半は苦労ばかり、最近になってようやく軌道に乗り始めたと言う。

忙しい母から学んだ料理が全ての原点

次の一品、愛知県産のあさりを使った酒蒸し(1,000円・税別)をつまみながら、料理をどうやって覚えたのか、西島さんが訊くと「うちの母親は理容師で忙しかったんですよ。母親の作りかけの料理を、理容室に行っては“次どうすんの?”とか聞きながら作ってました。母親の味は覚えていますから、その味に似るように作っていたのかもしれませんね」と語る。今度は、きたろうさんが「口説く人いるでしょ」と訊くと「口説く人には、顔に出ちゃいますね。女で売ってる訳じゃないんで。料理とお酒、居心地で売ってますから」と、これまたバッサリ。女将の女っぷりにすっかり魅せられた西島さんは、いつもより顔が赤く、すっかり上機嫌。女将が子供時代から作っていたという「なすとピーマンの甘辛炒め」を食べて「うわっホカホカ。甘め最高、素晴らしい! これはお酒にあいます!」と、気分も最高潮に!

最後の一品をお願いすると「では、卵のぐじゅぐじゅっていうやつを」と女将。これは卵を半熟に炒め、醤油で味付けしたシンプルなメニュー。これをアツアツのご飯の上に乗せていただくのが、ゆきみさけ流だ。「忙しい母親が、私に目玉焼きを作ろうとして崩れたんだと思うんですよ。それが私は大好きで、ずーっと頭の中に残ってて……」という女将の話を聞き、「福島の風景が、目に浮かんでくるようだよ」と、きたろうさん。郷土料理というより、もっと個人的な思い出が詰まった家庭料理は、その生まれ育った環境を超えて、常連さんの、そして人の心を掴んで離さない。少しでも美味しいものを食べさせたいという、母の気持ちがこもった料理は、人を必ず笑顔にし、その笑顔はきっと広がる。そう確信させる味と想いが、この店にはある。

ゆきみさけの流儀
その壱

お通しはカウンターに並ぶ筑前煮など、10種類のおばんざいから一品選ぶ。お通し300円(税別)
その弐

「お通しが少なくて、まずくて季節感が無い店が大嫌い」という女将。料理はどれも、ボリューム満点。
その参

女将が子供の頃から作っていたと言う、なすとピーマンの甘辛炒め。少し甘めに仕上げる味付け、女性に人気。750円(税別)
その四

料理を心から楽しんでもらうために、女将は好き嫌いを聞いてから作る。これぞ究極の家庭料理?
その伍

簡単なようで、実は火の通し方が難しい一品。絶妙な半熟加減を残し、ご飯に乗せて食べると絶品! 卵のぐじゅぐじゅ、ご飯(各350円・税別)
きたろうさんから、ゆきみさけへ贈る「愛の叫び」 料理は想い。強いゆきちゃんの涙を見てみたい。  ———きたろう
「ゆきみさけ」
住所

電話
営業時間
定休日
東京都中野区中野5−52−1
海老沼ビル2階
03-6454-0258
18:00〜24:00
日曜 ※祝日は要確認
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

ページトップへ