東京都江東区砂町で創業67年!
料理人人生45年のご主人が守り続ける
下町の人気大衆酒場!
裏メニューの「ぶつぶつ」!?
今宵の舞台は、東京都江東区砂町。きたろうさんと武藤さんがお邪魔したのは、東西線南砂町駅から徒歩18分、昭和32年創業の人気酒場「大衆料理 葛西橋」だ。明るく広々とした店内で、二代目主人の影山肇さん(64歳)と女将の広子さん(62歳)に迎えられ、さっそく、ふたりは、焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」
最初のおすすめは「ぶつぶつ」。ご主人は「常連さんしか知らない裏メニュー」というが、「マグロのぶつとかじゃないの?」と、きたろうさん。実際出てきたのはマグロぶつとタコぶつの盛り合わせで、「俺の言ったとおりじゃん!」とドヤ顔だが、ご主人は、「両方食べたいというお客さんのために作りました」と胸を張る。魚介は30年来の付き合いがある豊洲の業者から仕入れているそうで、きたろうさんはタコぶつを食して「これは旨いね!」と感激! 武藤さんも、「マグロはスジが全然ないし、味が濃くておいしい」とうっとりだ。
店は創業67年。「この辺りは昭和47年まで都電が走っていて、すぐそこが葛西橋という停留所でした。店名の由来です」とご主人。さらに、「昭和32年の開業当初は、餃子の専門店だったんですが、時代の変化もあって餃子だけでは食っていけず、平成2年に居酒屋に転向したんです。それから33年たちますね」と教えてくれた。
続いてのおすすめは「肉豆腐」。鰹出汁と醤油でしっかり味付けした牛肉に豆腐と半熟卵。きたろうさんは、「出汁が旨い!歴史を感じる」と絶賛。武藤さんも「おいしい! この味はウチじゃ作れない」とうっとり味わっていると、ご主人が常連さんのひとりに向かって、「ちょっと待っててね。すぐ作るから」と目配せする。その様子に「お父さんじゃないんだから」とツッコむきたろうさんだが、「みなさん身内みたいなもんでね。店の鍵まで持ってますから」とご主人。「のんびりした街なんで、空き巣も少ない。昼間からおじいちゃんおばあちゃんが立ち話してるし、子供もいっぱいいるから。それに、あんまりお金持ってる人もいない」と笑うのだった。
江東区砂町で生まれ育ったご主人は、高校を卒業するまで家業を継ぐ気は全くなかったというが、店の改装をきっかけに、父・睦(むつみ)さん(享年83)の勧められ「葛西橋」で働き始めた。「20歳頃には、隣にあった飲食店の板前さんに料理を習っていた」そうで、「えっ!? 隣の店の板前に?」とあきれ気味のきたろうさん。ご主人は、「気楽でしょ。何でも優しく教えてくれましたよ。修業も全然大変じゃなかったし、苦労はしてないんですよ〜」と飄々と言ってのけ、「でも20歳で一軒家を買っちゃって、やめるにやめられなくなっちゃった」と付け加えて、またしても笑いを誘うのだった。
〆も裏メニュー!? お米が旨い! 絶品おにぎり
さて、ここで登場したのが、「銀ダラの照り焼き」。自家製タレに1日漬け込んだ銀ダラを照りよく焼き上げれば、身はふわふわ。脂がのった最高のおいしさに、ペロリと完食のふたりである。
ところで、ご主人と女将の広子さんとの出会いは、44年前の高校の文化祭。共通の趣味である音楽を通じて出会ったとか。その後しばらくは別々の道に進むが、平成12年、美容師だった広子さんが「葛西橋」を手伝うことになり、一緒に暮らし始めたという。慣れない女将業に最初は戸惑ったという広子さんだが、今では、ご主人曰く「仕事量は7;3くらいで、女将の方が圧倒的に多い」とのこと。あっぱれである。
32歳で二代目を継いだご主人が、先代から引き継いで大切にしているのは、「お客様を大事にすること。ご近所さんとは長い付き合いですし、お客さんとはよく話をして、仲良くなりますね」という。常連さんたちからも、「大将も女将も温かくて、一人でも来やすい雰囲気」、「ただいま!と言って来たくなる居心地のいい店」と愛され、「料理はどれも美味しいし、ガスで炊くごはんが特に美味しい」と、みなさん口を揃えて絶賛するのだった。
続いていただくのは、「鳥スタミナ炒」。鶏モモ肉にニンニクや豆板醤、トウチジャン、醤油を加えて炒め、仕上げにごま油で風味付けしてあり、「いい香り〜! 食欲をそそるピリ辛味〜」と、箸が止まらない武藤さんだ。
店をやる上で大切にしていることを伺うと、「気合いと根性と集中力」というまさかの答え! きたろうさんは、「一番欠けてる部分じゃないか!」と苦笑いするが、ご主人は、のほほ〜ん(笑)
そして〆には、「焼きビーフン」を! 海老や豚肉、卵など具もたっぷりで、「味付けも適度にお酒が進む味でスルスル食べられちゃう」と武藤さん。きたろうさんも「旨い! 〆にいいね」と大満足なのだが、ここで、先ほど常連さんたちが絶賛していたガス炊きのお米を使ったおにぎりが登場! ふたりは大喜びでかぶりつくと、「確かにお米が旨い! 握り方もちょうどいいね」ときたろうさん。武藤さんもたまらない様子で「お米がふっくらしていておいしい!」と夢中に味わうのだった。
最後にいつもの質問を! ご主人にとって酒場とは、「憩いの場所。仕事から帰って、少しくつろいでもらえれば」と温かい笑顔で締めくくってくれた。