酒場激戦区で創業11年!
思わぬ試練を乗り越え
人気酒場を守り続ける男の物語
五島列島の鮮魚を堪能!「刺身六点盛り」
今宵の舞台は、酒場の激戦区・東京都江戸川区小岩。きたろうさんと武藤さんが向かったのは、総武線小岩駅南口から徒歩2分、創業11年の人気酒場「わか月」だ。清潔感のある明るい雰囲気の店内で、ふたりはさっそく、ご主人の若月功二さん(51歳)に焼酎ハイボールを注文して、「今宵に乾杯!」
最初のおすすめは、長崎県の五島列島から仕入れた鮮魚の「刺身六点盛り」。この日は、クロムツ、本マグロ(赤身、中トロ)、クエ、カンパチ、剣先イカという豪華な盛り合せ。マグロ(奄美大島産)以外はすべて五島列島からの直送だそうで、高級魚のクエをはじめ、どれを食べても新鮮かつ絶品! 「う〜ん、旨い! 旨いなぁ。幸せ」と、きたろうさんは感動しきり。ご主人は、「以前の修業先で使用していた五島列島の魚がおいしくて、そこで知り合った業者から五島列島の鮮魚を空輸便で仕入れています」と教えてくれた。
地元小岩で生まれ育ったご主人は、料理上手だった母親の影響で料理に興味を持ち、高校卒業後は大阪の調理師専門学部に進学し、料理人の道を歩み始めた。その後は、料亭や小料理店、大衆酒場、焼き鳥店などで、「料理の道を究めたい」と厳しい修業を重ね、自分の店を持つという夢に向かって邁進。平成25年、40歳でここ小岩に、念願だった自分の城を構えたのだ。しかし、開業直後、ご主人を待ち受けていたのは、思わぬ試練だった。
「オープンして3ヵ月で病気になって。2ヵ月間入院することになり、3ヵ月間も店を閉めたんです」。きたろうさんが、「それは絶望するよね。夢が途切れたと思ったでしょう?」と言うと、ご主人は、「終わった……と思いましたね。でも、3ヵ月後に再オープンしたら、ありがたいことに、いつもどおりお客さんが来てくれて。お客さんのおかげで今があるんです」と感謝の気持ちがあふれるのだった。
続いてのオススメは、「厚切り豚の鉄板焼き」。豚ロースを油で揚げたあと蒸し焼きにし、仕上げに玉ねぎや醤油を使った自家製ソースをかけた一皿に、「これは旨い! 料理に手間暇がかかってるよ!」ときたろうさん。武藤さんも「やわらかくて、タレがすごくおいしい!」と感激。ご主人は「いろんな店で働いてきたので、それぞれの良いとこ取りみたいな感じで作りました」と胸を張った。
禁断のおいしさ!「国産牛肉の生うに巻」
店を開業して、「大変なこともありますけど、それ以上に楽しい」というご主人。病気を乗り越えて守り続けていることがあるそうで、「定休日は基本的にありません。年末年始以外は年中無休。入院してやってなかった時期がありましたからね。従業員で交替しながら営業しています」と充実した笑顔を見せる。店を再開してから共に働きはじめた従業員の井原佐江子さん(50歳)と浦井泰宏さん(50歳)にも話を聞いてみると、「オーナーとはもともと飲み友達。店を手伝ってほしいと言われて、気づいたら11年。彼はお料理に対してすごく真面目だから、働いていて楽しいです」と井原さん。ご主人とは修業中に知り合ったという浦井さんも、「当時から彼の人柄に惹かれていて、困ったことがあったら、ゆくゆくは手伝うよと言ってましたから」とご主人を支えているのだ。
さて、ここで登場したのは、大人気メニューの「海老真丈」。ふわっと蒸しあがった海老真丈を一口食べて、きたろうさんは「もう、料亭だな。旨いね。完璧! 京都にいるのかと思うよ」と目を細め、武藤さんも、「海老の味がしっかりしていて、上品な甘み。おいしい〜」と頬が落ちそうだ。
「新鮮なものを使って、とにかくおいしい料理を提供したい」というご主人。メニュー数も100種類以上あるとか。常連さんたちも、「美味しさのレベルが他とはちょっと違う」と絶賛し、「ご主人は笑顔がかわいくて、チャーミング!」、「とにかく優しい」、「従業員やアルバイトの人たちともすごく仲がいい」と、店も料理もご主人も、丸ごとお客さんから愛されているのである。
次にいただくのは、「国産牛肉の生うに巻」! 炙った牛肉に大葉と北海道産のうにを乗せて巻いた一品に、「酒場の料理とは思えない!」と大興奮の武藤さん。さっそく食して「口の中が幸せ! 溶ける〜」と、うっとり! きたろうさんも、「贅沢だな〜! ウニと牛肉が合うんだ。贅沢が揃った感じだよ」と興奮が止まらないのだった。
そして、〆にいただくのは、「五島うどん」! きたろうさんが選んだ「温五島うどん」は、鰹出汁ベースのつゆに鴨の脂を隠し味に入れ、ネギ、水菜、ゆずなどを添えてあり、「これは旨いっ! 贅沢だなぁ〜」とため息がでるおいしさ。冷たい麺を選んだ武藤さんも、「コシがすごい!! もっと太いかと思ったらすごく細いのにコシがある! おいしい〜」と感激しきりだ。
ご主人にとって酒場とは、「出会いと繋がりの場所。ここでいろんな方に出会って、そこからまた次の方へとつながっていく……」とのこと。きたろうさんは、「そうだよね! SNSじゃなくて、ここでリアルにつながらなきゃね!」と大きく頷いて大賛成!!