BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2015/5/16放送 #50 炭火焼鳥 金たろう

25歳から焼き台の前に立ち努力と工夫、前向きな気持ちで夢と強運を掴んだ男の酒場
メニューに光るこだわりの数々

葛飾区亀有、東京の代表的な下町の一角に、金太郎の絵が書かれた朱色の看板の店「金たろう」がある。連日お客で溢れるこのお店を、テキパキと切り盛りするのは、ご主人の鈴木孝一郎さん。「ここは安心して飲めそうだな」と、席についたきたろうさんたちは、焼酎ハイボールで乾杯。お通しはキャベツの食べ放題。この甘い春キャベツと、一緒に食べたいのが「鳥皮のキムチ和え」だ。きたろうさんは、これをキャベツで包んで食べて「キャベツがキムチの辛みを取って、絶妙な辛さだね」と満足げ。“安心して飲めそう”という見立てに、間違いはなさそうだ。

そして焼き物が次々に登場。常連さんのイチオシ「ささみ明太」は、中がレア状態の焼き加減で、明太子ソースがかかった一品。西島さんは「パサパサとした感じが全然ない」と、お気に入りの様子。次に豚の腸の中の部位を焼いた「あぶら」が登場。「あぶらが好きじゃないと、肉が好きとは言えないよ」と、きたろうさんが言うこのあぶらは、その名前に反して意外にあっさり。そして変わりネタとして、チーズを海苔と油揚げで巻いて焼いた「チーコン」が登場。「油揚げを炭火で焼くとうまいんだよね」と、きたろうさんが褒めると「うちは開店からずっと、最高級の紀州備長炭を使ってます」とご主人。一串一串に込められたこだわりと味が人気のこの店。しかし、最初から順調だった訳ではない……。

調理師学校を卒業し、横須賀のレストランで厳しい修業を積んだご主人。焼き鳥屋のメニューには珍しい「仔羊骨付きロース」の焼き物は、この修業時代の技を生かした名物だ。そして若干25歳にして、赤提灯と焼き台、家庭用冷蔵庫一台で店をオープン。既に妻子持ちだったご主人は、一心不乱に働いたが、それでも店が軌道に乗るまで3年かかったという。「失敗するとか嫌な事は、あんまり考えない性格なんでね。ストレスが溜まらないように、すぐ忘れるようにしてます」と笑う。さらに「でも商売が(あまりに)大変ですからね……。長男が出て行きーの、嫁が出ていきーの、娘が出て行きーの……。で、今は(店を手伝う次男の優作さんと)2人で暮らしています」とポロリ。きたろうさんが、すかさず「嫁が出てったの?」と訊くと「もう独身生活をエンジョイしてます。もうポジティブなんで。辛い事はすぐ忘れちゃう」とサラリ。しかし、驚くのはまだ早い。実はご主人、さらにスゴい経験の持ち主だったのだ。

ポジティブさが呼び込んだ、すごい強運

きたろうさんが、何気なく趣味を訊くと「旅行に行ったり、宝くじ買ったりですかね」とご主人。「宝くじなんて、当たんないでしょ?」と訊くと、ご主人がニヤリ。「まぁちょこちょこです。でも最高で2等が当たりましたね。その時は1,600万くらい」。これにはきたろうさんも西島さんも、「えっ!」と言ったまま言葉を無くした。「でも、従業員とご飯食べにいったり、住宅ローンを返したりで、1ヵ月で使っちゃいました。去年は52万と48万円、2回当たりましたし、一昨年は年賀状の一等も当たりましたよ」と、ご主人。唖然とするきたろうさん。「年賀状の一等が当たった人なんて、初めて聞いたよ。記念切手しか当たんないよ。運を持ってるねぇ。25歳で店を始めた時も、自分の強運を知ってたんじゃないの?」と訊くと、「それは分かってなかったですね」と笑うご主人。この話を聞いて、俄然ご主人の焼き鳥がありがたく思えたのか「ここの焼き鳥は食うべきだね」と、運を分けてもらうかのように食べる西島さんときたろうさんだった。

最後の一品、湯気が朦々と立つアツアツの「石焼茶漬け」を頬張りながら、きたろうさんが「今の商売とか人生に後悔は無い? 商売で儲けて、宝くじ当てたらもういいか」と最後の質問をすると「まだまだですよ。なんせ慰謝料払ってますから!」とご主人。コレには店じゅう大爆笑。これだけ前向きなご主人を前に飲んでたら、明日はきっといい風が吹くと思えること間違いなしだ。

金たろうの流儀
その壱

キムチ和えは、春キャベツと一緒に食べると辛さがマイルドに。お酒のおつまみ、焼き鳥の箸休めに最適。鳥皮キムチ和え320円(税別)
その弐

開業当時から、炭は強い火力を長時間キープできる紀州備長炭を使用。これで焼く焼き物は、味が違うという。ささみ串(明太子)160円、あぶら110円、チーコン210円(全て税別)
その参

開業当初はお客さんも入らず、貯金も尽き、苦しい生活が続いた。しかし家族を守るため一心不乱に働いた結果、少しづつお客さんが増え、今では連日お客さんの絶えない人気店に。
その四

横須賀のレストランでの修業時代の技を活かした串が、仔羊骨付きロース420円(税別)。分厚く、食べ応えも十分。
その伍

炭で焼いたおにぎりを、石焼きの椀に入れて、わさびを溶きながらお茶をかける。朦々と上がる蒸気と一緒に召し上がれ。石焼茶漬け630円(税別)
きたろうさんから、金たろうへ贈る「愛の叫び」 金たろうのやきとりには運と工夫がある うまい!!  ———きたろう
「炭火焼鳥 金たろう」
住所
電話
営業時間
定休日
東京都葛飾区亀有5−23−10
03-3606-8800
17:30〜深夜1:00
正月
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

ページトップへ