酒場激戦区! 東京都大田区蒲田
たった5坪の立ち飲み店で
新鮮な天然活魚料理を堪能!
輝くように美しい「ぶりの刺身」に感激!
きたろうさんと武藤さんがやってきたのは、東京都大田区蒲田。酒場が建ち並ぶ蒲田東口中央通りを歩いて向かったのは、創業23年目を迎えた「さしみや 五坪」。天然物の新鮮な魚介が楽しめる立ち飲み店だ。厨房で腕を振るうのはご主人の船附義人(ふなつき よしと)さん(64歳)。妻のまみこさん(63歳)が接客を担当している。文字通り五坪の店内で、コの字カウンターを囲んで立つふたり。さっそく、焼酎ハイボールを注文して、常連さんもご主人も一緒に「今宵に乾杯!」。
最初のおすすめは、「ぶりの刺身」。「今は寒ブリの走りの季節。北海道産がいいね」とご主人が捌いてくれた刺身は、「鮮度良すぎてプリプリよ!」との言葉どおり、輝くように美しく、見るからに新鮮。武藤さんは、「めちゃくちゃおいしい! すごくおいしい! 脂がおいしい〜」と感激しまくり、きたろうさんも、「いやぁ、これは旨い!」と大興奮。ご主人は、もともと活魚の卸会社に勤めていたそうで、その目利きを活かして仕入れる鮮魚は間違いなく絶品。店で提供する魚介はすべて天然物である。
ご主人の出身は、宮崎県と鹿児島県の県境の都城市。酪農家の三男として生まれ育ったが、「バカばっかりやってたから、親父に勘当されちゃって」と、25歳で上京。友人の紹介で活魚の卸会社に就職した。「僕、山の人間だから、活きた魚を扱うのが、楽しくて楽しくて(笑)」と、天然魚を仕入れるために様々な港へ出向いて交渉する日々を過ごしたという。そんな経験を活かして、ここ蒲田に「さしみや 五坪」を開業したのはご主人が42歳の時。当初から立ち飲み屋として開業したが、最初はお客さんの入りも悪く、「蒲田で立ち飲みは流行らない」と笑われたとか。しかし、安くて新鮮な魚介料理が徐々に評判となり、周りの飲食店も驚く人気店となった。ちなみに、店のコの字カウンターは、お客さんの回転率をあげるため、長居しにくい低めのものをご主人自ら設計。女性と80歳以上のお客さんだけは着席OKとのことで折り畳み椅子もあるが、こちらは常連さんが高齢のお客さんのために買ってきてくれたものとのこと。
濃厚な肝と一緒に「皮はぎ」を堪能!
さて、次のおすすめは、「皮はぎ(肝付き)」。ご主人は「作ってきまーす!」とウインクしながら厨房へ。武藤さんが、「大将、パンチ効いてますね」と言うと、女将のまみこさんも、「いつもお客さんより飲んでますね(笑)。もう、やりたい放題。我ながらよくついてきたと思う」と苦笑い。きたろうさんは、「でも刺身切る大将の後ろ姿は真剣だよね。最近立ち飲みでも、結構値段が高いところも多いんだよ」と、ご主人の企業努力に感心。常連さんも、「ここは頑張ってますよ」、「週3〜4回来るお客さんも多い」と、リーズナブルな価格に感謝する。そして、登場した「皮はぎ」の刺身を肝とともに堪能すれば、2人そろって「おいしい〜!」「肝が濃厚〜!!」と舌つづみ!
続いては、この日のメニューからきたろうさんが選んだ「おやぢの塩もつ煮込み」を。一口食べて、「スープの塩加減が見事!」と喉を鳴らすきたろうさん。武藤さんは、「魚だけでなく肉料理もおいしいのはどうして?」と驚く。ご主人は、「薩摩の方は豚・鶏・牛、すべての生産地。ガキの頃から肉はよく食べてましたから」と胸を張り、「そのかわり魚は勉強しましたよ! 知らねぇから、ごまんと食いましたね!」と笑う。そして、料理のこだわりは、「自分で食べて、旨いと思うものしか出さないし、材料や作る手間は絶対手抜きしない」とのこと。きたろうさんは、「この店は味は完璧! 親父が好きかどうかでお客さんが決まるね」と笑った。
ところで、ご主人とまみこさんの出会いは39年前。交際から1年後に結婚し、2人の子宝にも恵まれた。「九州男児なので、『俺についてこい!』 というところに惚れた」と、まみこさん。ご主人は、そんなまみこさんを「今でも大好き。一番好き。とにかく優しくて気遣いがある」とベタ惚れ。しかし、ご主人が酒場を始める際は、まみこさんへの相談は一切なかったそうで、「九州人は相談しない! 思うがままよ!」と豪語するご主人。専業主婦だったまみこさんも、「やるしかない」と、いきなり酒場の女将に転身することなったが、ご主人はまみこさんを「とにかく接客が上手い。それに、お客さんを完璧に覚えてる」と絶賛なのだった。
最後の〆料理をお願いすると、ご主人は「しょうがねぇなぁ!」と勿体つけながら、「俺の一番こだわり、牛すじカレー! 作るの大変なのよっ!」と厨房へ。そして、登場したのは、4時間煮込んで作るというペースト状のカレーにバケットが添えられたちょっとおしゃれな一皿。カレーをバケットに塗って口に運び、「結構、辛いっ! 食欲をそそる辛さ!」と言いながら手がとまらない武藤さんだった。
ご主人にとって、酒場とは、「みんなと楽しく呑む場所。楽しくなかったらダメ!」と言い、まみこさんは、「1000%癒しの場」。
とにかく元気になれる酒場である。