BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2015/5/23放送 #51 弥平

新鮮な素材はうまい料理の源 若干35歳のご主人が調達する三浦半島の旬が横浜に集結
新鮮素材を仕入れる、たゆまぬ努力

連日大賑わいという酒場「弥平」は、横浜駅から歩いて6〜7分という立地のオフィスビルの1階にある。店に入ると威勢の良い「いらっしゃいませ〜!」の声。出迎えてくれたご主人の高杉晋弥さんは、頭にねじりタオル、黒いTシャツと漁師風の出で立ち。きたろうさんが思わず「喧嘩、強いでしょ」と訊くと、笑顔で「見かけ倒しなんで、すぐ“ごめんなさい”をしちゃいますよ」と答えるご主人。威勢が良くて、人懐っこい。そんな人柄のご主人が、この店の大きな魅力のひとつのようだ。

ご主人も加わって、焼酎ハイボールで乾杯すると「三浦半島で今日獲れたお魚がありますんで、是非」と、刺身の盛り合わせをいただくことに。「漁師からダイレクトに仕入れてます。正直、うちより鮮度のいい店は無いっていう自信があります」という。三浦半島の相模湾に面した長井漁港で、ご主人が仕入れる魚は、その日の漁次第。6点盛りといいつつ、サービスで7〜8点盛りになった刺身は、朝にはまだ海を泳いでいた近海の魚ばかり。「まさに漁師が食べる刺身だね」と、きたろうさんが言うと「一番の贅沢というのは、こういう刺身の事かなと思ってます」と、ご主人。しかし、最初から満足な仕入れができたわけではない。2年間通いつめ、漁師と仲良くなって初めて実現できた贅沢なのだ。

「うちは野菜もおいしいです。三浦半島ではいろんな野菜を作ってますから」と、ご主人は次の野菜料理にも自信たっぷり。出てきたのはタジン鍋に入った「三浦温野菜盛り合わせ」。「この野菜も仕入れるために3年ぐらい、毎週3回通いました。ここから勉強しなきゃダメだって言われて、種まきをさせてもらったり。大変でした」。そんなこだわりの野菜を、ご主人はあえて蒸すだけの調理法で出している。ニンジン特有の固さが無く、ホクホクで甘みが強い紫ニンジンなど、素材の持ち味を堪能したきたろうさんは「驚くほどシンプルで、うまい!」と、その素材の力に感心しきり。

根拠の無い自信でも、信じれば力になる

高校卒業と同時に、料理の世界に飛び込んだご主人。修業時代も、大好きな地元で獲れた食材を、一人でも多くの人に食べてもらいたいという夢を持ち続け、結婚を機に独立。2店舗目となる鶴屋町への出店は、周りから場所が悪いと猛反対を受けたが、ご主人には自信があった。根拠の無い自信だけが……。しかし店を開いてみると、まず横須賀出身のお客さんが常連となり、その常連さんがまた客を呼んで……、と大繁盛。「時には根拠の無い自信も、大切なんだよねぇ。しかし、客に支えられてるね」と、きたろうさんが言うと、ご主人は実にうれしそうな笑顔を浮かべる。

魚、野菜ときたら、最後の一品はやっぱり“肉”。もちろん肉も、三浦半島で育った葉山牛。それもA5ランク! 三浦半島には10軒ほどの牧場があるのだが、もともと出荷量の少ない葉山牛を仕入れるのは難しい。そこでもご主人はこまめに足を運び、コツコツと関係を築いていったのだという。料理は網で自分好みに焼いて、塩やたまり醤油で頂くスタイル。一番肉の味が分かるという塩で食べたきたろうさんは「あ〜、うまい! うまくて甘い!」と、えびす顔! 「ここに来たら、三浦半島の食べ物のレベルが、相当に高いんだって事が、スゴく分かりますよね」とは西島さん。三浦半島の食材にかける熱意について「やっぱり自分で足を運ばないと、その良さをお客さんに伝えられないじゃないですか」と話すご主人。その生真面目さに「政治家になるつもりは無い?」と訊くきたろうさんに、店じゅうが大爆笑。「店は僕にとって夢の舞台なんですよ。だから全力でぶっつかって、全力で楽しみたいんです」というご主人に、「夢の舞台なんて、役者みたいだね。いい言葉じゃないか」と共感しきりのきたろうさん。自分が最高だと思う素材を、最高の料理にして食べてほしい。そのまっすぐな気持ちが、酒を美味くする一軒だった。

弥平の流儀
その壱

長井漁港の入札権を持ち、水揚げ10分後にはセリをして仕入れるという鮮魚。仕入れによって内容が変わる、六点三貫盛り1,980円(税別・プラス1〜2点はサービス)
その弐

横須賀生まれの横須賀育ちというご主人。地元の食材に愛着を持っているからこそ、徹底的にこだわりを貫き通す。
その参

シンプルな料理法で、素材本来の味を堪能する「三浦温野菜盛り合わせ」(650円・税別)。この日の野菜は、紫ニンジン、あやめカブ、紅芯大根、ズッキーニ、サツマイモ、ブロッコリー、アーリーヌーボー(玉ネギの一種)の7種。
その四

横浜駅からは歩いて6、7分だが、いわゆる飲み屋街ではないこのエリア。誰もが出店に反対したが、常連客の支えもあって店は大繁盛!
その伍

A4〜A5ランクしか葉山牛と呼べないため、その出荷量は年間100頭ほどと実に希少。葉山牛網焼き1,750円(税別)
きたろうさんから、弥平へ贈る「愛の叫び」 魚も肉も野菜も主人もピッチピチ  ———きたろう
「弥平」
住所

電話
営業時間
定休日
神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町1−7−18
YSビル1F
045-620-8159
17:00〜24:00
なし
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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