東京都台東区池之端の人気酒場
名物の焼き鳥はもちろん!
絶品創作料理に舌つづみ!
予想を超える旨さ!「すごいうずら串」
東京都台東区池之端にやってきた、きたろうさんと武藤さん。東京メトロ千代田線・湯島駅から徒歩3分。蓮の名所としても知られる不忍池(しのばずのいけ)のすぐそばにある「炭火やきとり おとりさま」が、今宵の酒場だ。厨房で腕を振るうのは、ご主人の佐野大樹(ひろき)さん(46歳)。ふたりは、さっそく、焼酎ハイボールを注文して、常連さんたちと一緒に「今宵に乾杯!」
最初のおすすめは、名物「すごいうずら串」と「紅のつくね」。「どのへんが、“すごい”の?」と不思議そうな武藤さん。きたろうさんは、「うずらの卵なんて大しておいしくないだろ!?」とつぶやきながら口に運ぶと、その瞬間、「うんまっ!!」と目を見開き、「半熟のうずら卵を焼いてあるんだ! すばらしい!」と絶賛。武藤さんも、「みんなが求める半熟卵。トロっととろける〜」とうっとりだ。「紅のつくね」は、つくねに刻んだ紅生姜を混ぜてあり、お好みでマヨネーズをつけていただく。「マヨネーズが異常に合う!」と、こちらも気に入った様子のきたろうさん。ご主人は「ちょっとタコ焼き感が出ますよね」と笑いながら、「常連さんから紅生姜のかき揚げを毎日リクエストされたのがきっかけで、考案したんです」と教えてくれた。
続いては、「ねぎま」と「シロ」を。ご主人曰く、「店の味の特徴はタレに出ると思う。うちは、甘すぎず、くどくなく、さっぱりした味」とのこと。そんな自家製醤油タレでいただく「ねぎま」は、「味はしっかりついてるのに、軽くてパクパク食べられる!」と武藤さん。味噌ダレの「シロ」も、「歯応えがしっかりして食べ応えがあるね!」ときたろうさんも大満足だ。
東京・池袋で生まれ育ったご主人は、高校卒業後、調理師専門学校を経て、20歳で都内のイタリア料理店に就職した。しかし、希望した厨房の仕事につけず、約2年で退職。「修業はめっちゃ大変でした。昔は、『教えねぇぞ!』っていう雰囲気だったから。でも、それがあって今がある。生意気なクソガキを育てていただいたわけです!」と感謝する。そして、次にいただくのは、そんなイタリアンを感じさせる「鶏胸と野菜の冷し鉢 豆乳味噌仕立て」(※仕入れにより提供できない場合があります)。食材によって調理法を変え、低温調理した鶏肉にパプリカやズッキーニをあしらった彩り美しい一皿に、武藤さんは「おしゃれでアートみたい」と、うっとりしながら、「さっぱりしてる! スープがおいしい〜」と喉を鳴らした。
〆はまさかの「バターごはん」!
イタリア料理店を退職後、22歳から地元池袋の酒場で働き始めたご主人は、「なんでもやらせてくれる店だったので、『俺はデキる!』という錯覚に陥った」とか。「でも、自分には料理の基礎がない。このままでは上に立てない」と、料理を一から学び直すために和食割烹に就職。さらに、その後、30歳から焼き鳥チェーン店で働いた後、平成25年、33歳の時に焼き鳥をメインとした酒場「おとりさま」を開業したのだ。「根拠のない自信があったんですよね。それがないと開業なんてできない」と振り返るご主人に、きたろうさんも、「ものをつくるときって、そういう根拠のない自信がめっちゃ大事なんだよ」と大きく頷き、「でもご主人は、根がとっても真面目だよね」と納得するのだった。
ところで、店名の「おとりさま」は、焼き鳥の「とり」と、商売繁盛の神様が祀られる鷲(おおとり)神社(台東区)が由来とのこと。開業当初は、「知り合い以外、お客さんが全然来ない! チェーン店の看板がないとこんなに違うのかと心が折れかけた」というが、持前の「明るさ」と「根拠のない自信」で徐々に店は軌道に乗っていった。今では、「毎日が楽しくてうれしいですが、『また来るね〜』と帰られたお客様が、本当にまた来てくださった時は、すごくうれしい!」とにこやかな笑顔で話すご主人。常連さんからも「やっぱり大樹くんの人柄が魅力。優しくて温かい」という声が聞かれ、地元で愛される人気酒場となったのだ。
さて、ここで登場したのは、2種類の変わり串。ピーマンとチーズを豚バラで巻いた「ピーマンチーズ豚巻」と納豆を加えたつくねに大葉と海苔を巻いた「納豆巻き串」。ほんのりと納豆を感じる納豆巻きは納豆苦手な人でも食べられるおいしさ。ピーマンチーズ豚巻は、「組み合わせが完璧!」と武藤さん。きたろうさんは「丁寧に作ってるねぇ」と感心しきりだ。
最後の〆は、温かいご飯にバターを一片のせた「バターごはん」! 海苔の佃煮を醤油がわりに一緒にいただく。きたろうさんは、「驚いた! ただのバターごはんだ」と大興奮! 一口食して、「想像を超えないよ(笑)」と言いながらもうれしそう! 「私、食べたことないんですよね」という武藤さんも「おいしい〜。贅沢なごはんって感じになりますね」と自然と笑顔がこぼれた。
ご主人にとって酒場とは、「一息つける場所。仕事帰りにちょっと寄ってリセットできる場所でありたいですね!」。ご主人の人柄と料理のおいしさに元気をもらえる一軒である。