東京都中央区人形町で創業42年目!
31歳までサラリーマンだったご主人が
先代から受け継いだ老舗酒場の暖簾
ずらり並ぶ名物の大皿料理!
きたろうさんと武藤さんがやってきたのは、東京都中央区人形町。歴史と伝統が息づく粋な下町エリアで、ふたりが向かった今宵の酒場は、昭和59年創業の「人形町 咲村」。季節ごとに替わる大皿料理が人気の老舗酒場だ。清潔感のある広々とした店内で、二代目主人の奥田裕也さん(44歳)に迎えられ、さっそくふたりは焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」
最初のおすすめは、定番の「マカロニサラダ」を。コショウが利いたマカロニサラダはしっかりした味付けで、「これはチューハイが進むね!」と、きたろうさんもさっそくゴクゴク!
創業42年目を迎えた店は、ご主人の父親・良夫さん(享年58)が開業した。裕也さんは、大学卒業後、一度は食品卸売会社に就職したが、父親が病に倒れたことがきっかけで、家業を継ぐことを決意。料理経験のないまま、31歳で酒場の世界に飛び込んだ。
「父は急に倒れてすぐに入院することになり、その後、(10年前に亡くなるまで)入退院を繰り返しました。だから、父と一緒に店に立って直接料理を教わる機会はほとんどなく、修業という修業はしていません。知らないこともたくさん。入院中は電話で味付けを聞いたりもしましたが、父も、もう、『おまえがやるんだから、自分で考えろ』と。魚屋さんや市場で教えてもらいながら自ら学びました」
店内には58歳で亡くなった良夫さんの写真が飾られていて、きたろうさんは、「優しそうだね。どことなくご主人と似てるね」としみじみ思いを馳せるのだった。
続いては、ずらり並ぶ大皿料理から一品ずつチョイス。「マカロニサラダ」「磯つぶ貝」「うなぎ肝煮」「銀むつ」「きぬかつぎ(里芋)」「出し巻き玉子」「ヤリイカ煮」「谷中生姜」から、きたろうさんは「うなぎ肝煮」を選んで、「こんなに旨いんだ!」と感激。武藤さんは「銀むつ」の煮付けに、「甘いタレがよく合う! 脂も甘くておいしい〜」と目を細めた。
店を継ぐと打ち明けた当初、妻からは反対されたという。「子供も小さかったので、しっかり僕が働いて安心してもらえる状況にしなきゃいけない」。そう心に誓ったご主人は、料理に真摯に向き合い、しっかりと二代目を継いだ。今では妻のめぐみさんも時々店を手伝いにきてくれるそうで、きたろうさんは、「将来は娘も手伝ってくれたらいいね!」と期待を寄せた。
次に登場したのは、新作メニューの「がぶり骨付き鶏(スパイシーカレー風味)」。ほどよい歯応えが楽しめる親鳥のもも肉を使った一品に、「カレーの風味が合うね。噛めば噛むほど旨い!」ときたろうさん。武藤さんも「鶏の旨みもちゃんとあっておいしい!」と絶賛だ。
数量限定! まぐろのカマ焼きに舌つづみ!
亡き父親への想いを伺うと、「父とは店で一緒に働いたことはないし、直接教わることができたのも、入退院を繰り返していた少しの間だけ。今となっては、そういう状況になるもっと前に、僕が引き継ぐ意志を決めていればよかったと思います。そうしなかったのは、父に対して失礼だったかなと。父も、僕に引き継がせるのであれば、もっと自分の技術なんかを仕込みたかっただろうなと……」。
次にいただくのは、そんな父親から教わった数少ない料理のひとつ。自家製酢味噌を使った「ねぎぬた」だ。さっそく食して、「ねぎと味噌が合ってるね。旨っ」と舌つづみを打つきたろうさん。もともとねぎが苦手だった武藤さんは、「この番組のおかげで加熱したねぎは食べられるようになりましたが、生はちょっとドキドキしてました。でも、これはおいしい! 酢味噌とよく合って食べやすい!」と感激。ご主人が考案した二代目流アレンジは、ねぎぬたをマグロにのせる食べ方! きたろうさんは、「ぬただけで十分(笑)」と言うが、武藤さんは「うんっ! おいしいですよ!」と大喜びするのだった。
ここで、常連さんたちに店の魅力を聞いてみると、「いつでも同じテンションで受け入れてくれる」、「ゆったりと心が落ち着く。構えなくても家と同じように飲める」、「名物料理もいろいろあって、おいしいしリーズナブル」と口々に絶賛だ。そんな常連さんのひとりは、奥さんがこの店の従業員! 店で出会って2年前に結婚したそうで、ご主人によると、店で出会って結婚した3組目のカップルだとか! これには武藤さんも、「私もここに来たら誰か……!?」と目を輝かせた。
最後の〆は数量限定の「限定まぐろカマ」(要予約)。迫力ある大きなカマ焼きに「見た目もカッコいいよね! 焼くの大変だよ」と惚れ惚れしながら口に運び、「脂が旨いねぇ……」とため息まじりのきたろうさん。武藤さんも「おいしい! 贅沢な気持ちになりますね。テンションあがる〜」と大満足だ。
先代が残してくれた料理の美味しさと常連客を大切にする明るく誠実な人柄で老舗酒場の暖簾を守り続けるご主人。「今のネット時代にこうやって酒場で飲んで話すなんて嬉しいよね」と感慨深げなきたろうさんに、「お客さんが楽しんでいるのを一緒に楽しめて、会話に入れるのは本当にうれしい」と大きく頷く。そして、「酒場とは、自分を出せる場所。ここでは、お客さんも自分も言いたい放題(笑)。それは逆にリラックスできてるってことかな!」