気取らない下町の大衆酒場
25歳で夢を叶えた若き主人が作る
アイデア満載の絶品料理に舌つづみ!
から揚げグランプリ金賞受賞!「やじてば」
東京都荒川区日暮里にやって来た、きたろうさんと武藤さん。下町らしさを感じるこの街で、ふたりが向かったのは、日暮里駅から徒歩2分、創業12年の「大衆酒場 やじろう」。昭和の大衆酒場を思わせる店内で、ご主人の近藤良さん(30歳)に迎えられ、ふたりはさっそく、焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」
最初のおすすめは、「からあげグランプリ手羽先部門」金賞受賞(2017年、2018年)の看板メニュー「やじてば」。特製スパイスで下味をつけた手羽先を高温の油で揚げ、自家製タレにくぐらせる。武藤さんは、「すごくスパイシー! 皮もパリッパリ!」と止まらない様子で、きたろうさんも、「食べれば食べるほど旨いな!」と感激だ。
ご主人は現在30歳! 従業員も全員20代だそうで、「みんな若くて活気があるし、和気あいあいとアットホーム。従業員全員あだ名をつけていて、僕は“ジャンボ”と呼ばれています」。そう言って笑うご主人は、店のある東日暮里の隣、台東区根岸で生まれ育ち、高校卒業後、調理師専門学校を経て「やじろう」に就職。1年後には店長に昇格し、その5年後、先代が店を手放すタイミングで経営権を受け継ぎ、若干25歳で「やじろう」のオーナーとなったのだ。「25歳で認められたって、相当優秀! しっかりしてるもんね」と感心するきたろうさん。ご主人は、店のオーナーになって「考え方は変わりました。従業員も守らないといけないし。コスト管理などは常に気にするようになりましたね」と話す。従業員からも「面倒見はめちゃめちゃいいです! 話すと優しい」と慕われつつ、「ふとした一瞬の顔が怖い時がある(笑)」と言われるのは、料理と真剣に向き合うご主人の真摯な気持ちのあらわれだろう。
次のおすすめは、「10秒レバー」と「10秒ハツ」。提供されて10秒以内に一口目を食せば、余熱で火が通る最高の瞬間が味わえるとのこと! きたろうさんはレバーを口に運び、「うまぁい! 10秒で食べろって意味が分かる!!」と絶賛。ハツをいただいた武藤さんも「プリップリ、ちゃんと火が通ってるけど焼きすぎず、おいしい〜」と舌つづみをうった。
ご主人が料理の世界に興味をもったのは、「父が飲食業の会社で43年間勤め上げたのを見て、かっこいいなと思ったから」。そう聞いて、武藤さんが、「どんなお父さんだったんですか?」と尋ねると、「実は……」と隣のテーブルで飲んでいた父・仁さん(71歳)を紹介してくれた。仁さんは、「息子は小学校の頃は優しくていい子でしたが、中学高校ではヤンチャでちょっと苦労しました」と苦笑いしながら、「今こうやって酒場をやってるのはすごく誇りに思いますね」と嬉しそうに話してくれた。
自家製合わせ味噌が味の決め手!「もつ鍋」
さて、ここで登場したのは、串に刺して焼いた「パイナップル」!「ピザや酢豚に入ってるパイナップルを焼いて、焼き鳥の合間に食べたらおいしいんじゃないかと思って」とご主人。軽く焦げ目がついたパイナップルは甘い香りがたち、武藤さんはうっとりしながら、かぶりついて、「焼くと甘さがグッと増しますね」と目を輝かせた。
ご主人が店を引き継いだのは、コロナ禍でお酒の提供ができなかった頃。「キツい時期でしたが、弁当販売で乗り切りました。その時に応援してくださったお客様たちが、その後も来てくださってありがたかった」と感謝し、常連さんたちも、「ご主人は普段からニコニコ笑顔ですごく良い方」、「スタッフさんと仲良く話せるし、いつ来ても楽しい」と店の魅力を語る。そして、現在、料理の仕込みや事務作業を担当している妻の恵美華さん(30歳)にもお話を伺うことに! ふたりは16歳で出会い、24歳で結婚したそうで、「結婚前から、自分の店を持ちたいという彼の夢は知ってたので、店をやることに抵抗はなかったですね」と恵美華さん。ご主人も「仕事のことをよく理解してくれていて、時間的なことも含め、いろいろと合わせてくれる。とても感謝してます」と頭が上がらないのだった。
続いてのおすすめは、「油淋肝」。「油淋鶏のレバーバージョン」というオリジナル料理に、「旨い! これはびっくりしちゃう!」と大興奮のきたろうさん。武藤さんも、「衣がサックサクでレバーが柔らかくて、おいしい! もも肉より好きかも!?」と気に入った様子だ。
「気取らず素でいられる下町の大衆酒場が好き」と言うご主人。今後の夢は「この近辺で店舗を増やすこと」。父・仁さんも、「自分はできなかった夢を息子が叶えているのは誇らしい」と胸を張り、ご主人は少々照れながらも、「父がいなかったら、この道に進んでいなかったと思う。自分も息子がいるので、息子に恥じないように頑張りたい」と語った。
最後の〆は、ご主人自慢の特製合わせ味噌を使った「もつ鍋 味噌」。きたろうさんは、「旨いなぁ、これも……」と喉を鳴らし、武藤さんも「もつが甘くておいしい! 味がしっかりしてるのに、くどくない!」と大満足だ。
最後に「酒場とは?」の質問に、「憩いの場」と答えるご主人。前途多望な若き主人の答えは、意外にも「普通だね!」(byきたろう)