創業57年の老舗酒場!
先代主人への想いを胸に
暖簾を守り続ける親子の物語
女将が焼き上げる名物「もつ焼き」
今宵の舞台は東京都江東区西大島。きたろうさんと武藤さんがお邪魔したのは、西大島駅から徒歩12分、昭和43年創業の老舗酒場「鳥まさ」だ。焼き台の前で腕を振るうのは女将の平田やす子さん(78歳)。息子の真寿(まさひさ)さん(57歳)が二代目主人を継ぎ、串もの以外の全ての料理を作っている。そして、接客を担当するのは、妻の文子(あやこ)さん(54歳)。二代目女将・文子さんの明るく元気な声に迎えられ、ふたりは、さっそく、焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」
最初のおすすめは、名物もつ焼き「カシラ」と「ナンコツ」を塩で。きたろうさんは、「ナンコツ」を食して、「塩加減がなんともいい!」と絶賛。武藤さんも「ずっと口に入れて噛んでたい」と味わい、続いて「カシラ」をいただいて「お肉の旨みがすごい!」と感激だ。仕込みも串打ちも、全部、女将のやす子さんがこなしているそうで、文子さんは「いまだに現役! ばば(やす子さんの呼び名)目当てのお客さんもいらっしゃる」と教えてくれる。
千葉県銚子市で生まれ育ったやす子さんは、中学卒業後、集団就職で上京し、15歳から酒場で働き始めた。その5年後、同じ職場で働いていた料理人の賢悦(けんえつ)さんと出会い、昭和43年に結婚。結婚と同時に独立し、西大島に夫婦で「鳥まさ」を開業したのだ。開業当初からお客さんの入りは良かったそうで、「職人さんが多かったから、毎日のように満席でね。クリスマスになると、鶏の丸焼きも何百個と売れましたよ」と振り返った。
続いては、秘伝のタレでいただく「レバー」と「ねぎま」。「タレも、ばばが創業当時から継ぎ足し継ぎ足しでやってきました」と文子さん。大きめにカットされた「レバー」に、「幸せな気持ちになりますね」と武藤さん。甘めのタレが相性抜群の「ねぎま」にも大満足だ。
二代目夫婦の真寿さんと文子さんは、33年前に知人の結婚式で出会い、2年後に結婚した。真寿さんは、「高校卒業後は、父親から『他人の飯を食ってこい!』と言われて、2年くらい他店で料理修業しました。自分は長男だし、このまま親父の跡を継ぐのかな」と一度は料理の道に進んだものの、「やっぱり自分のやりたいこともあって……」と、20歳の時に、子供の頃からの夢だったトラックドライバーに! 「トラックがバカみたいに好きなトラック野郎で」と、真寿さんが見せてくれた写真は、いわゆる“デコトラ”! 「これはすごい! こんなの運転してたら、気持ちいいでしょう!」ときたろうさんも納得だ。そんな真寿さんだったが、32歳の時に一念発起し、高齢になる両親を支えるため、専業主婦だった文子さんとともに、「鳥まさ」を手伝い始めたのだ。
〆には王道の「ラーメン」で大満足!
次のおすすめは、「お好み焼き風玉子焼き」。具材は、卵、キャベツ、山芋、ハム。「結構玉子焼き感があるけど、味付けはお好み焼き。おいしい〜」と武藤さん。店の2階では、30年前から2021年まで、お好み焼きを提供していたそうで、「ソース味を残しつつ、優しい味にしました」と二代目夫婦が試行錯誤して考案したそうだ。
25年前、息子夫婦が店を手伝い始めると、店はますます繁盛し、順風満帆な日々だったが、家族4人で店を切り盛りするようになって11年目に、先代主人の賢悦さんが病に倒れ、永眠(享年67)。「まじめでおとなしい人でした。飲むのが好きで、たまにキャバレーとか行ってましたけど」と女将は懐かしみながら、「亡くなった時は、不安で自律神経失調症になった」とも。それでも、「みんなに支えてもらって乗りきれた」と息子夫婦や常連さんたちに感謝する。文子さんも、「店を手伝うようになって、すごく楽しい! お客さんがおいしいものを食べて笑顔になるのがうれしい」と元気よく話し、きたろうさんは、「文ちゃん、いいねぇ! いいお嫁さん見つけたね!」と感心。やす子さんも、「嫁の嫌いなところはないです! 一緒にいないと寂しい」と明かし、文子さんも、「朝から『顔見ないと寂しいよ〜』って、ばばから電話がかかってくる。彼氏みたい」と笑うのだった。
常連さんたちも、「二代目主人もママさんも、みなさん気持ちがすごく優しい」、「姉さん(二代目女将)が明るくて和むし、おいしい焼き鳥でお酒が飲める」、「家庭的な店だから、しょっちゅう来ちゃう。毎日来てる」とお店の魅力を口々に語るのだった。ここで登場したのは、二代目主人の自信作「鳥皮ニンニク」! 鳥皮を炒め、秘伝のタレで味付けした食欲をそそる一品に、「おいしい〜。ニンニク感じますけど、そんなに重くない」と武藤さんも箸が止まらない!
ここで登場したのは、二代目主人の自信作「鳥皮ニンニク」! 鳥皮を炒め、秘伝のタレで味付けした食欲をそそる一品に、「おいしい〜。ニンニク感じますけど、そんなに重くない」と武藤さんも箸が止まらない!
最後の〆は、「ラーメン」。昔ながらのシンプルなラーメンに、「いやぁ、旨い!」と舌つづみをうつきたろうさん。武藤さんも「王道のラーメンですね。やっぱり飲んだ後、こういうのが食べたい」と大満足だ。
最後に、女将のやす子さんに「酒場とは?」と問えば、「私の人生」と断言! 完璧な締めの言葉に、「そう言い切れるのはすごい!!」と、出る幕なしのきたろうさんであった。