父親の一言をきっかけに23歳で開業!
常連さんの舌を唸らせる絶品料理で
下町の呑兵衛に愛される人気酒場に!
朝〆豚の新鮮「もつ焼き」に舌つづみ!
今宵の舞台は東京都墨田区曳舟(ひきふね)。古い長屋などが残る下町情緒あふれる街で、きたろうさんと武藤さんが訪れたのは、創業16年目を迎えた「大衆居酒屋 よね屋」。にこやかに迎えてくれたご主人の米山大輝さん(38歳)に、ふたりはさっそく焼酎ハイボールを注文して、常連さんたちと一緒に「今宵に乾杯!」
最初のおすすめは、新鮮な朝〆豚のもつ焼き。自家製タレでいただく「レバー」と「しろ」だ。きたろうさんは、ボリュームたっぷりのレバーを食し、「お見事! なんでこんな柔らかく焼けるの?」と感激。武藤さんも、「しろはプルプル。タレもほんのり甘くておいしい」とチューハイが進む。ご主人は「すごく新鮮なので、火を入れすぎないように焼いています」と胸を張る。
墨田区曳舟で生まれ育ったご主人は、大学卒業後、建築業を営んでいた父親の一言がきっかけで、23歳で酒場の世界に飛び込んだという。「リーマンショックで就職がダメになって悩んでいた時に、父が『居酒屋でもやってみればいいんじゃないか』と言った、その一言で……」とご主人。「僕は包丁も握ったことなかったから、父の知り合いの店で修業させてもらったのですが、2年間のつもりが半年で店舗物件に空きが出て。父親に『もう、やっちゃえよ!』と背中を押されたんです」
「でも最初は失敗ばかり。中華鍋を振るうのとだし巻きを巻くのがすごく難しかった」というご主人が、半年の修業で酒場を開業できたのは、実は、料理上手な母・徳子さんの支えがあったから! 調理師免許も持っていた母親に料理のコツや味付けを教えてもらいながら腕を磨いていったのだ。そうして、開業から約8年後、道路拡張による店舗移転のタイミングで、徳子さんは引退し、ご主人はひとりで店を切り盛りするようになった。
続いては、母親直伝の味、名物の「さつま揚げ」を。武藤さんは、揚げたてアツアツにかじりついて、「ふわふわっ! 旨みがすごくて、何もつけなくても十分おいしい〜」と頬が落ちそう。
ご主人の両親は、店にもよく来るそうで、実はこの日も! 父・安弘さん(63歳)は、「自分が焼鳥屋をやりたかったが、不器用でできない。だから息子に託しました」と話し、母・徳子(62歳)さんは、「店舗を主人が探してきちゃって、もう、『ここだよ』みたいな感じ。これはヤバい! 私が一緒にやるしかないと思った(笑)」と振り返る。開業当初から、地元の友人などが店に来てくれたそうで、きたろうさんは、「地元だねぇ〜。素晴らしい! 渋谷でやってたら潰れてるよ」と冗談交じり。さらに徳子さんは、「もう亡くなった、主人のお母さんが孫のために、いつも煮物を作ってくれて。カウンターに大皿で並べると、お客さんにも評判でした」と思い出を語ってくれた。
〆は7種のチャーハンからチョイス!
さて、次のおすすめは「牛すじだし巻き玉子」! ご主人が「難しかった」という「だし巻き玉子」の登場に、「今日は何点?」と聞くきたろうさん。ご主人は、ちょっと考えて「100点です!」。もつ焼きのタレを絡めた牛すじの味わいに、武藤さんは「味がしっかりしてる。おいしい〜」と目を細め、きたろうさんは「100点だね!」と唸った。
開業以来の常連さんも多いそうで、ご主人いわく、「下町なんで、口は悪いですが、心は優しい方が多い」とか! そんな常連さんに、店の魅力を伺うと、しばし考えてから、「魅力ないのが良くて、ずっと来るんじゃない?」と飄々と言ってのけ、別の常連さんが「大将の笑顔がいいね」とフォロー。続いて別の常連さんも「ご主人がいつもニコニコしていて優しい」、「何食べてもめちゃくちゃおいしい!」と絶賛が始まって、ご主人も安堵の表情だ。
ここで、「もつ煮込み」が登場! 赤味噌と白味噌を使った母親直伝の一品に、「トロトロ〜。ほっこりする味ですね」と目を細める武藤さん。徳子さんは、「今はもう、息子の料理に太刀打ちできません。努力したんだと思います」と息子の腕前に太鼓判を押した。
「働いていて楽しいから、辞めようと思ったことはない。ここで飲めば楽しいと思ってもらえる心地よい場所を作りたいし、みんなが笑っていることがうれしい」と充実した様子のご主人。「あの時、父が背中を押してくれて本当に感謝してます」と言うと、安弘さんは、「辛いことさせちゃったかなと思う」と照れ隠し。徳子さんは、「本当によく頑張ってくれています」と頷いた。
最後の〆はチャーハン。なんと7種類から選ぶ。キムチ、牛すじ紅生姜、にんにく、しば漬け、普通、高菜明太、海老とニラとのことで、迷ったふたりは、ご主人おすすめの「しば漬けチャーハン」に! しば漬け色の美しいチャーハンは、「香りがほんのり。さっぱりしていて、おいしい〜」と武藤さん。きたろうさんも、「めちゃくちゃ食べやすい!」と大満足だ。
今後の夢は、「このまま店を続けていくこと」と堅実なご主人。酒場とは、「人生そのもの。この街に育ててもらって、今も勉強させてもらってます」との言葉に、きたろうさんは、「38歳で早いよ! それは70歳くらいで言って!(笑)」