離婚を機に40代で酒場を開業!
女手一つで育て上げた娘とともに
人気酒場を作り上げた女将の物語!
ボリューム満点の串カツに舌つづみ!
今宵の舞台は、東京都江東区大島。きたろうさんと武藤さんがお邪魔したのは、都営新宿線大島駅から徒歩5分の、創業34年目を迎えた人気店「居酒屋 みやこ」。店を切り盛りしているのは、女将の森マサ子さん(77歳)と長女の白石美香さん(46歳)だ。木のぬくもりを感じる落ち着いた店内で、カウンターに陣取ったふたりは、さっそく、焼酎ハイボールを注文して、「今宵に乾杯!」。
最初のおすすめは、「串カツ」。驚くほど大きな串カツは開業当初からだそうで、さらに、「ウチは2本で1人前なんです」とボリューム満点! 武藤さんはガブリとかぶりついて、「お肉柔らか〜い! たまねぎ甘〜い!」と大喜びだ。
ニコニコと温かい笑顔を見せる女将に、「根っからこの仕事が好きそうだね」と、きたろうさん。「そうですね。若い頃から自分の店を持ちたかった」という女将は、神奈川県川崎市出身。高校卒業後は飲食店で働き、30歳の時、寿司店を営んでいたご主人と結婚し、同時に店を手伝い始めたという。しかし、42歳の時に離婚を経験。それをきっかけに酒場を開業し、まだ幼かった2人の娘を女手一つで育て上げたのだ。
「えらいね〜、お母さん!」と感心するきたろうさん。実は、きたろうさんたちの隣のカウンター席に座っていたのは、次女の森友希さん(44歳)! 「映像の仕事をしています」という友希さんは、「昔、シティボーイズさんのお仕事もさせていただきました。編集のお手伝いで」とのこと! ちょっとした偶然の出会いに、きたろうさんも思わずテンションが上がるのだった。
店名の由来を伺うと、「お父さんがつけたの。歌手の都はるみが好きだったから。そこに、森マサ子が嫁に来ました!」と笑う女将。寿司店時代の店名「都」を平仮名表記にして継承したのは、「いろんな手続きが簡単だったし、お客さんにとっても馴染みがあったから」。開業当初も不安はなかったそうで、「お寿司屋さんの頃のお客さんがついてきてくれましたから」と穏やかにほほ笑む女将である。
次にいただくのは、「変わり豆腐」。豆腐の上にマヨネーズ、ニンニク、ニラ、ゴマ、鰹節を乗せ、出汁醤油をかけて加熱してある。まずは一口食したきたろうさん、「食材が邪魔しあってない! うまい!」と感心し、武藤さんも「お豆腐と鰹節で和風っぽいけど、そこにパンチが利いてる!」と気に入った様子だ。
メニュー名「これ」「それ」「あれ」とは!?
そして、続いてのおすすめは、「これ、です」と女将。「これ」という料理だという!? 「なんだろ!?」と面白がるふたりの前に「これが『これ』です」と出てきたのは、ツナマヨと玉ねぎをワンタンの皮に包んで揚げた、おつまみにぴったりの一品だった。実は、「これ」以外にも、「それ」と「あれ」という謎メニューもあり、そちらは食べてのお楽しみ! 気になる方はぜひお店でご注文を!
ここで、常連さんに店の魅力を伺うと、「お母さんですね! どんな話でも聞いてくれて、やさしいことを言ってくれる」、「女将は温かみがあって、話さなくても飲んでるだけで伝わってくる何かがある」と口を揃え、きたろうさんは「地元にこういう酒場があればいいねぇ」としみじみ頷いた。
次に登場したのは、「イカ大根」! イカと大根、里芋がゴロゴロとボリュームたっぷり! 「しっかり煮込まれてて、味が滲み滲み〜。里芋もほくほくでおいしい」と、お袋の味にほっこりする武藤さんだ。
現在、女将と共に働く娘の美香さんは、高校卒業後、服飾関係の仕事に就いたが、忙しく働く母親の姿を見て、25歳で仕事を辞め、「みやこ」で働き始めた。「お客さんとも仲よくて、毎日ゲラゲラ笑いながら楽しくやってます」というが、将来、店を継ぐかどうかは「考え中。すごく大変だから」と言い、「でも、お客さんからは続けてほしいと言われる……」と少々困惑しながらも、優しい笑顔を見せてくれた。そんな美香さんの支えに女将は感謝し、「助かりますよね! 親子だからケンカもしますけど。店以外ではケンカしないし、この間は親子で旅行しました」と嬉しそうに話す。離婚後、子育てをしながら34年間働き続けてきた女将は、今年10月、開業後初めて10日間の長期休暇をとり、娘2人と一緒に日本一周の船旅に行く夢を叶えたのだ。
最後の〆は「ピリ辛焼きそば」。ニンニクで香り付けした油に鷹の爪を加えてそばを炒め、オイスターソースで味付け。白髪ねぎをトッピングする。後から来る辛みがやみつきになりそうな、ピリ辛〆料理に大満足のふたりであった。
店を長く続ける秘訣は「信用でしょうね」と女将。「雨や台風でも、遅刻しないで店を開けます。お客さんが来て店が開いてなかったショックですから」。そんなお客さんへの誠実さこそが、人気の秘密なのだ。女将にとって、酒場とは、「出会いの場。別々の仕事をしている知らない人同士がここで出会ってお友達になれる」と言い、美香さんは「私にとってのパワースポット。お客さんからパワーをもらって、お客さんにもパワーを返したい」。その言葉に、きたろうさんは目を輝かせ、「パワースポットか! 素敵だね〜」と満面の笑み!