江東区門前仲町で創業45年目!
焼き鳥から鮮魚料理へ舵を切り
酒場激戦区で老舗酒場の暖簾を守る!
金沢から直送! 鮮度抜群の「刺身三点盛り」
今宵の舞台は、東京都江東区門前仲町(なかちょう)。酒場激戦区のこの街で、きたろうさんと武藤さんが向かったのは、門前仲町駅から徒歩1分、創業45年目を迎えた老舗酒場「福田屋」だ。落ち着いた雰囲気の店内で、二代目主人の福田伯和(はくわ)さん(63歳)に迎えられ、ふたりは、さっそく、焼酎ハイボールで「今宵に乾杯!」
最初のおすすめは、金沢直送の「刺身三点盛り」。この日はブリ、マダイ、カワハギ。金沢の市場から新幹線便で届く魚介は、どれも鮮度抜群! 肝が添えられたカワハギに、きたろうさんは「肝がキモだよね」と目が輝き、食せば、「旨いよ。さすが! 新鮮そのもの」と大興奮。脂ののったブリも、身のしっかりした天然のマダイも絶品で、武藤さんは「東京でこれが食べられるのがすごい!」と大喜びだ。
店は、昭和56年、ご主人の父親・大和(だいわ)さん(86歳)が開業した。開業当初は、焼き鳥専門店として、会社帰りのサラリーマンで大繁盛だったそうで、「自分も嫌になるくらい、一日何百本もの焼き鳥を焼きました。焼き鳥の煙がぼうぼうとしているような居酒屋だったんです」と振り返る。しかし、開業から10年後、伯和さんが二代目を継ぐと、「バブル経済が問題になりだして、少し先を見越して変えていかなきゃいかんなと思いましてね」と、徐々に焼き鳥の扱いを減らし、金沢の魚介を仕入れることに。ご主人曰く、「魚の新鮮さに目からウロコでした。金沢の人はものすごくおいしいものを食べている!」と実感したのだという。そして、店舗を全面リニューアルし、金沢の新鮮な魚介を中心とした大衆酒場に大きく舵を切ったのだ。
「ただ、ここ東京の下町では、『金沢の魚介だとかカッコつけちゃってさ』なんて言われることもあって、そのあたりをうまく擦り合わせるのが難しかった。やはり居酒屋メニューがないとダメだし、お会計がひとり1万円超えるような店ではお門違いになる。そのあたりをうまくミックスしたのがよかったんじゃないかな」。高校卒業後、10年間にわたり、和食、洋食、中華のお店で料理修業を重ねた経験も活かし、先代から受け継いだ「福田屋」を新たな店へと作りかえたのだ。
さて、次のおすすめは、「ブリのかぶら漬」。今が旬のブリをかぶらで挟み、糀で漬けた北陸地方の珍味だ。「初めて食べる!」とワクワクしながら一口いただいて、「さっぱりしてる! おいしい〜」と感激する武藤さん。きたろうさんも、「糀がすべての料理を旨くするね」と感心しきりだ。
ご主人自慢の「能登の一夜干しセット」!
続いては、「能登の一夜干しセット」。ガスエビ、ハタハタ、ゲンゲ、メギスという、聞き慣れない魚の名前に「食べたことないかも」と武藤さんは言いながら、まずはゲンゲを食し、「ふわっとして、クセはないのに旨みはある。おいしい〜」とパクパク。次にハタハタを食べて「噛めば噛むほど旨みがでてくる!」と感激し、さらには、ガスエビの想像以上の甘さに「思ってたのと全然違う」と舌つづみ! その様子に、ご主人は、「このへんが他の店にはあまりないウチの特色ですね」と胸を張った。
ところでご主人は、高校時代から今も続けている趣味があるそうで、修業時代には料理人以外の道を模索していた時期もあったといい、「DJをやってましてね(笑)。ソウルバーをやりたかったんですよ」と意外な趣味を明かす。他にも、自宅の屋上で鳩を飼い、「鳩レース」も趣味にしているそうで、「修業していた10年間くらいはフラフラしてましたね。いつでも家業に戻れば済むという安心感もあって。そういう意味ではドラ息子でした」と笑った。
実は現在、ご主人の一人娘・来華(らいか)さん(25歳)も従業員として店で働いている。人手不足を補うためもあるが、「父と一緒に働けるのは安心できる。ケンカすることもありますが、もう慣れました」と言い、店を継ぐことも視野に入れているとも! そんな来華さんの言葉にご主人は嬉しそうに頷き、娘を見守る優しげな父親の表情を浮かべるのだった。
次に登場したのは、「フグの白子天ぷら」! 「高級料亭に来たみたい」ときたろうさん。武藤さんも「テンション上がりますね!」と興奮し、ご主人自慢の白子天ぷらに、「口の中でとろける〜。たまらなくおいしい!」と、うっとりだ。
最後の〆は、「海鮮鍋」。牡蠣や車エビ、タラ、ハマグリに野菜や豆腐など9つの具材が入った贅沢な鍋の登場に歓声を上げる武藤さん。「魚もほくほく。すっごいおいしい! 幸せです〜!」と大満足。きたろうさんは、魚介から出る旨みたっぷりのスープに喉を鳴らして唸るばかりであった。
店をやっていて楽しいのは、「お客さんが喜んで帰ってくれたとき。やっぱりお客さんの表情を見れば、おいしかったかどうか分かる」と言い、「体が辛いとか面倒くさいとかいろんな日もあるけれど、お客さんを迎え入れた以上は笑顔でいたい。知らず知らずにがんばってたら月日が経っていた、というのが本音ですが、毎日の積み重ねが大切。商い=飽きないですね」。
酒場とは「くつろいでストレス解消する場所」というご主人。明るい人柄とお客さんを大切に思う気持ちが、老舗酒場を支え続けている。