BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2015/7/11放送 #58 野焼

サラリーマンの聖地・新橋に男惚れする師匠と義理堅い弟子の熱い絆の任侠酒場があった!
掛け値なしに新鮮! モツと野菜に大満足

サラリーマンならば、聖地巡礼よろしく、一度は新橋の酒場でネクタイを緩め、焼酎ハイボールでモツ焼きを食べてみたい。そんな要望に100%答えてくれるのが、名店「野焼」だ。細い路地、モツ焼き、鈴なりのサラリーマン……。“ガード下”でこそ無いものの、これほど“新橋らしい”店はそうない。調理場を担当するのはご主人の安西育勇(いくお)さんと、店長の桑島哲さん。そして女将の安西有子さんが、常連さんの間をスルリスルリと動いて接客する。いつものように常連さんと乾杯し、「染みる〜!」と乾いた喉を潤して、今回もスタート!

最初の一品は、もちろんモツ焼き。しかし「うちのホルモンは、外で七輪で焼くんですよ。中では焼かないんですよ」とのこと。店の外に張り出したカウンターは立呑みで、店内がいっぱいの時はウェイティングバーよろしく、モツを焼きつつ一杯飲めるスペースになっている。「今日ご提供できるのは、シロホルモン(丸腸)とタンの下の貴重な部位(あごした)、あとレバー」と、店長が出してくれた皿にはモツがたっぷり。絶妙な焼き加減で、ぽってり膨らんだ丸腸を頬張った瞬間、きたろうさんと西島さんの気分は一気に最高潮へ。「うまい!」「なに!このプリプリ感!」「こんな部分があるわけ?」「うまいよ、うまい」と、感激の言葉を連発。もともと肉の卸業をしていたご主人は、モツ焼きなど簡単だと思っていたが「ところが大変! そんなの素人でも出来ると思ったの。それが難しい!」と、その奥深さは想像以上だったという。「レバーとか、モツは鮮度が命ですから」と、ご主人は徹底的に鮮度にこだわり、激戦区・新橋で常連客を増やしていった。

次の一品は、ご主人と女将が畑で育てた野菜たち。「今朝、採った野菜なんです。今ならキュウリ、トマト、ナス。ナスなんか、生で食べられるんですよ」と女将。スーパーに並んでいる野菜とは色、艶、形が違う。西島さんは、太陽を浴びて育った路地野菜を「甘いんですよ、全然渋みもない」と絶賛。まさにココでしか味わえない一品だ。

師匠と弟子、言葉にできないその強い絆

店を始めて38年、一番辛かった時を女将に聞くと、ほんの3年前だと言う。ご主人が腹部動脈瘤を煩い、一度は店を閉める事も考えたが、そんな窮地を店長が救った。「15年近く一緒にやって、一度ほかの店で勉強してみたいと思って店を辞めて。そうしたら一年ぐらい後にお客さんから電話があって、“親方の具合が悪いよ”って。一生懸命育ててもらったから、出来る事があれば恩返しをしたいなと」店長は語る。ご主人は「腹の中では“いいよ。お前来なくていいよ”と。金もそんなにあげられないし」と思っていたが、店長の意思は固く、女将と暖簾を守ることに。「任侠だね」と思わずホロリとするきたろうさん。店長はご主人を「いい男ですよ。男が男に惚れる、そういう男ですよ。だから(ご主人と)どういう感じ?つっても、そりゃうまく伝わんない。俺と親父とは“あうん”の感じなんです」という。そう言われたご主人は「感謝? してないよ。というか言うもんじゃない。そりゃ分かってるよ。俺が分かってるんだから、それでいいの。俺の気持ちが分かってないなら、ついてこないよ」。二人の絆の強さの前では、言葉など不要なのだ。

最後の一品は、マカロニサラダを大胆にもグラタン風に仕上げた「マカロニのチーズ焼き」。「これはお腹がへってる時にガツガツ食べちゃう。確かに言われてみればマヨネーズの風味がしてきます」と西島さん。そしてお腹も気持ちもいっぱいになった二人は、最後に“ご主人と店長にとっての酒場とは?”を訊いてみた。ご主人は「人生に必要なところ」と答え、店長は「大人の寺子屋」だという。師匠と弟子、いやそれ以上の強い絆で結ばれた2人と、彼らを見守る女将の店で、酒場という名の寺子屋が開かれる。そんな“教え”“教えられ”といった風景こそが、真に新橋的な酒場の風景なのかもしれない。

野焼の流儀
その壱

焼いて食べれば、すぐにその新鮮さが分かるモツ。焼きながら食べるなら外のカウンターだが、もちろん店内でも焼かれたものを食べられる。大腸500円、レバー450円、あごした500円(すべて税込)
その弐

横浜に住むご主人と女将が、約600坪の畑で栽培している朝採れの野菜を提供。夏野菜の盛り合わせ480円(税込)
その参

熱したフライパンにマカロニサラダを入れ、チーズをたっぷりと乗せ、ケチャップをかけた後にチーズがほどよく溶ければ出来上がり。マカロニチーズ焼き350円(税込)
きたろうさんから、野焼へ贈る「愛の叫び」 任侠酒場に往年の名女優がいた。———きたろう
「野焼」
住所
電話
営業時間
定休日
東京都港区新橋2丁目8−16
03-3591-2967
15:30〜22:30
土曜・日曜・祭日
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

ページトップへ