BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2015/7/18放送 #59 昌

プライドよりも店を潰すな!“腕に絶対の自信アリ”の主人が客のアドバイスに耳を貸す。
 
立地条件の悪さを、ものともしない人気店

今回2人が訪れたのは、武蔵小山の繁華街から離れたところにある「炭火串焼 昌」。閑静な街並みに映える白提灯を見て、きたろうさんが「職人がいそうだ」とつぶやいて店に入ると、頭を剃り上げたご主人・桑原昌史さんがお出迎え。地元のご陽気な常連さんに支えられ、オープンから7年。今日も大いに繁盛。いつものように焼酎ハイボールで乾杯し、最初にきたろうさんが訊いたのは、店の場所の事。「何故こんな場所を選んだの? 人が行き交わないし、駅前でもない。よっぽど腕に自信が無いと」と言うと、ご主人は「(腕に自信は)ありましたね」とキッパリ。しかしオープン当初は大変だったらしい。「オープン当日のお客さんは0人でしたから。そこから半年くらいは平均10人くらいですかね」。そこから繁盛店への道のりを知るには、自慢のモツ焼きを食べないと始まらない!

最初の串は、定番のテッポウ。備長炭の強い火力で、朦々と煙を立てて焼かれたテッポウは、想像以上に柔らかく、焼酎ハイボールと抜群の相性の良さをみせる。「フォアグラよりうまいな。この一発目、いいね。タレが旨い」、「確かにこのタレ、絶妙に美味しい」と2人は大満足。続けて今度は塩焼きの「かしら」をいただく。この店のかしらは少し変わっていて「はじめ塩をかけた時に、塩をまんべんなく広げるためにバターを塗るんです。最後にもう一度軽くバターを塗って膜を作ると、温かさが長持ちする。肉汁とバターの相性もいいんです」とご主人。「あぁ本当だ、バターの香りがしますね。ここのモツはいくらでも食べられそうな気がする」という西島さんに、「つまみじゃなくて、モツがメインって感じ。この食べた時の食感が、なんか全然違うんだなぁ」と、きたろうさん。すっかりこの店のファンになったご様子だ。

そんな2人を見て、嬉しそうな常連さんが「一番おいしいのは炙りタンだよ!」と教えてくれる。炙りタンおろしポン酢は、臭みやアクを取るためにタンを2時間下茹でし、さらにニンニクやショウガ、玉ねぎと一緒に柔らかくなるまで2時間煮込む。最後に表面を炭火で軽く炙り、おろしポン酢を乗せていただく。一口食べたきたろうさんは「うまっ! うまいよ、これ! なんでこんなに高級感があるんだろう。ヒレ肉と言ってもいいくらいだよ」と大絶賛。「腕に自信あり」というご主人の言葉に偽りはなかった。

あえて値段を下げる決断を下す

お酒好きだった父親に連れられて食べたモツ焼きが好きになり、いつか自分の店を持ちたいと料理専門学校へ進んだご主人。卒業後、10年の修業を積むが「初めはなかなか焼かせてくれないじゃないですか。だから休みの日にお肉屋さんで肉を買って、近くの多摩川まで小さい焼き台を持ってって、焼きの練習をしましたよ」。そして念願の店をオープンしてからは、素材の鮮度にも徹底的にこだわった。そんなご主人の真摯な姿勢を見て、常連さんが一つのアドバイスをした。「武蔵小山の店は結構安い。もう少し下げた方がいいんじゃないの?」。これまで一本190円だった串焼きを、ご主人は120円に下げた。「これだけの腕で、プライドがあれば客の意見なんて聞かないよね。プライドはどうしたの?」と、きたろうさんが訊くと「プライドがあっても、店を潰したら意味が無いですから」と言い切るご主人。それを聞いて”途端に煙をはらう扇風機のコードが……”などとアドバイスを始めるきたろうさんと、それをまたニコニコと「そうですかぁ」と真に受けるご主人。そんなカウンター越しのノリがまた、たまらなくこの店を魅力的な場所にしている。

最後に脂身のついたボリュームたっぷりのロースを食べ、お腹いっぱいになった2人。これからの夢を訊くと、ご主人は「無いですよ。そんな大きい夢持てないですもん」と笑う。一日一日を大切に、自分もお客さんも楽しめる場所を続けるために精進し、お客さんの声に耳を傾ける。それこそが、ご主人の生き方。シンプルだけど、満たされたその生き方が羨ましいと思ったら、この店の常連になる“資格あり”だ。

昌の流儀
その壱

創業以来継ぎ足して使っている、自家製タレで食べるのがおススメ。テッポウ(直腸)一本120円(税別)
その弐

こめかみから頬にかけての部分「かしら」は、脂にしつこさが無いため、塩で肉本来の味を楽しみたい。かしら一本120円(税別)
その参

たゆまぬ努力で得た、焼き加減を見定める眼力が、新鮮なモツを絶品の串焼きにする。
その四

焼きたてのアツアツを味わうため、一本ずつオーダー。
その五

長い時間をかけて下ごしらえしたタンを、最後に炭火で炙り、おろしポン酢でいただく。炙りタンおろしポン酢300円(税別)
その六

ボリュームたっぷりのロースは、余分な脂が落ちた脂身が絶品。ご主人の焼きの技術が光る一品。大串ロース二本700円(税別)
きたろうさんから、昌へ贈る「愛の叫び」 モツ焼きのアーチスト昌! また来るぜ———きたろう
「炭火串焼 昌」
住所

電話
営業時間
定休日
東京都目黒区目黒本町3−5−1 シェーネ目黒1F
03-3760-0489
17:00〜24:00
月曜(祝日の場合は火曜)
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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