BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2016/2/06放送 #83 牛串牛鍋じげん

大阪・天満の駅前から東京・西荻へ 人と人との縁に導かれ絶品牛肉文化がこの地に根付く
鳴き声以外、全ての部位を美味しい料理に仕上げる

西荻で創業3年目を迎えた「牛串牛鍋 じげん」は、30年以上も牛肉と向き合ってきた親方、長村正夫さんが腕をふるう店。「牛は放るもんがない、捨てるもんがない。使われへんのは牛の鳴き声だけ」という親方が、ほかではお目にかかれない牛の部位を食べさせてくれる。早速、焼酎ハイボールで乾杯し、オススメの一品をお願いすることに。「まずは、あっさりと」と、出てきたのは分厚い茹でタン。カラシをつけて頬ばると、その程よい噛み心地とともにタンの繊維がほぐれ、肉の旨みが広がる。「うまっ、柔らかい!」と唸るきたろうさんに、「タンの一番ええとこ、真ん中を使ってます。ここまで柔らかくするのに、手間がかかるんです」と親方。この一品で、店のレベルの高さがよく分かる。

次の一品は、牛一頭からわずかしかとれない、のど元の筋肉と軟骨を使った「牛一頭から一杯の辛いスープ」。「辛そうだけど、牛のスープの甘い香りがする。すごくいいダシ!肉もホコホコでゼラチンが付いてる」と喜ぶ西島さんの顔を見て、親方は実に満足そうだ。

大学を卒業し、大阪の肉の卸問屋で働き始めた親方は、牛肉という最高の食材に魅了される。その美味しさを多くの人に知ってもらいたいと、49歳の頃、大阪・天満で牛串専門店を開業するが、それから2年後のある出会いが、親方の人生を大きく変える。「小林さんという方が、私の想いに共感してくださって」と、きたろうさんの隣に座る社長の小林一志さんを紹介。かつて焼肉屋で働いていた社長は言う。「大阪に友達がいて、よく大阪で食事に行ってたんですけど、親方の店がめちゃくちゃうまくて。関東には牛串なんてないから、軽く東京に来ないかと声をかけたら“あ〜、行く行く”って」。牛肉文化を広めたいと考えていた親方に、一切の迷いはなかったという。さらに好都合なことに、社長の親友が、品川で三代続く市場を経営しており、そこから安くて美味しいホルモンや肉を仕入れることができた。肉料理は、包丁の技術はもちろん、いかに良い素材を仕入れられるかが勝負。それを考えると、この偶然の人のつながりは、運命的でさえあった。

うまい料理を出せば、しっかり応えてくれるお客さん

次の料理は、この店の本領である希少部位の串焼きの4種盛り。見事に形の揃った、美しい串は、牛肉の深い知識と技術がなせる技。センマイカブは、刺身でおなじみのセンマイ(第三胃袋)の付け根にあたる部位。コリコリした歯ごたえがたまらない。きたろうさんが「こんなに味が違うんだ」と驚いたアブシンは、心臓の脂がついた部分で、ハツとは違った旨味がある。さらに驚かされるのが、その心臓の付け根・キモノカブ。社長によれば「焼肉屋でもハツは扱うんですけど、キモノカブは全く入ってこない」というほどの希少部位。その歯ごたえは驚くほど柔らかい。「こうして説明を聞きながら食べるのもうまいね。フランス料理みたいだね」と、きたろうさんも大満足の様子だ。

最後の料理は名物「じげん鍋」。四角い鍋に乗った、牛バラ肉をまとった野菜とホルモンの山にはびっくりさせられるが、すき焼き風のタレを含んだ野菜がおいしくて、いくらでも食べられる。「これはちょっと止まらないですね。いっぱい食べられます。お肉も野菜も」とは西島さん。濃厚なタレが、おもわずごはんを頼みたくさせる一品だ。

牛肉のおいしさを広めたいという親方の想いに共感し、人の縁があって生まれた店。親方は、その縁がもっと広がって、最終的には東京に牛肉文化を根付かせたいという。「東京のお客さんは、結構“美味しい”って言ってくれはる。握手してくれたりとか、“頑張れよ”とか、普通に言ってくれる。本当に応援してくれるんで、涙ちょちょぎれです。大阪はそういうことを言わないというか、当たり前みたいな感じで、“おおきに”で終わるんですけど」と、手応えを感じている様子。“うまい”には目がない東京人。きっとすぐに、この牛肉文化が根付くはずだ。

じげんの流儀
その壱

肉厚だが柔らかく、タンの歯ごたえもしっかり。手間暇がたっぷりかかった一品。茹でタン580円(税別)
その弐

希少な部位、のど元の筋肉と軟骨を使ったスープ。牛肉のだしの旨味とたっぷりのゼラチン質がマッチして実に美味しい。牛一頭から一杯の辛いスープ580円(税別)
その参

定番の赤身のバラ肉に、キモノカブ、アブシンなど珍しい部位の串の4本盛り合わせ。一本ずつ説明を聞いて、味くらべを楽しみたい。希少ホルモン4種盛り830円(税別)
その四

新鮮な厳選和牛のバラ肉のほか、ホルモン、ニラ、もやし、キャベツなどを店オリジナルのタレで煮込む。じげん鍋2,560円(2人分・税別)、生卵80円(1個・税別)
きたろうさんから、じげんへ贈る「愛の叫び」 じげんにギューしたい。———きたろう
「牛串牛鍋じげん」
住所
電話
営業時間
定休日
東京都杉並区西荻北3−19−12 2F
03-5303-9944
17:00〜25:00
火曜
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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