BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2016/4/16放送 #93 神楽小路 月夜野

女性が一人でふらりと訪れ 心から料理とお酒を楽しめる 神楽坂のこじんまり酒場
野菜をしっかり、美味しく食べられる店

細い路地が広がる東京新宿区・神楽坂。そんな小路から、さらに細く伸びる「みちくさ横丁」には、小さなスナックやバーが肩を寄せ合うように並んでいる。今回のお店「神楽小路 月夜野」は、そんな横丁の一軒。創業8年目の店に入ると、カウンター8席のみ。店を切り盛りする土屋八重さんと、沖田裕子さんが、笑顔で迎えてくれる。「どちらが女将なんですか?」と訊くと、「2人とも女将。でも(女将と呼ばれても)返事をしないかも。いつも名前で呼ばれるんで」という。土屋さんは“つっちー”、沖田さんは“沖ちゃん”と呼ぶことを確認し、まずは焼酎ハイボールで乾杯!

最初のオススメ料理は「季節野菜のグリル」。グリーンアスパラとネギ、椎茸。ちょうど市場に出てきたばかりの素材・たけのこや、少し火を入れるとおいしくなるシチリアトマトのベーコン巻きなどが上品に並ぶ。この料理の味噌は、まさしく自家製のゆず味噌。八丁味噌とゆず果汁をベースに、砂糖で甘く仕上げた味噌は、どんな野菜にもベストマッチ! 「うまいなぁ、これがあれば、ほかの料理はいらないよ」と、きたろうさんも満足げ。

次はこの店の人気メニュー「天然ブリのグリル」。その素材の良さに加え、秀逸なのが特製ネギ塩ダレ。試行錯誤の末に作り上げた、このオリジナルのタレは、みじん切りした長ネギにゴマ油、砂糖やレモン汁などを加えたもの。「あぁ、美味しい。むちゃくちゃ贅沢な味ですね」という西島さんに、「そんなに練りこんだ料理とは違います。“ちょっと乗っけてみたらどうか”というくらいで」と、つっちーは言うが、脂の乗ったブリの美味しさを引き出す、あっさりネギ塩ダレは実に見事!

元同僚の女性2人で始めた、人生のチャレンジ

元々、同じ職場で12年間働いていたつっちーと沖ちゃんは、子供の独り立ちを機に、第二の人生を歩みだす。神楽坂を選んだのも偶然で「不動産屋さんにピックアップしてもらったなかに、ココがあったんです。この古い横丁が、すごくいい感じだったし、目が行き届く狭さも良かった」と、この地に開店。何より心を砕いたのが、女性が1人で飲める店にするという事。食べ歩き、飲み歩きが好きだった2人にとって、それこそが第一の目標だったという。

次の料理は「鶏肉のハーブソルト焼き」。ハーブと塩でシンプルに焼いた鶏肉に、色彩豊かな野菜がたっぷり。そのバランスに「なんかこういう出し方が、少女っぽいよね」と、きたろうさん。素材の力を最大限に引き出す料理は、女性にも大評判。「お客さんがいない時は、どうしてるの?」と、きたろうさんが何気なく訊くと「歌を歌ったりしてますね。2人ともジャズをやっているので」と、意外な返事。時にはジャズバーのステージにも立つという、その歌を聴くことに! スタンダードナンバー「Fly me to the moon」を、じっと聴いていたきたろうさん。「目を閉じて聴いていたら、酒場じゃないと思ったよ」と、その喉を大絶賛。

最後の一品は、薬味たっぷりでいただくそうめん。変わっているのは、そのつゆ。豆乳入りのつゆが、冷たいそうめんに優しく絡まり、スルッとお腹に落ち着いていく感じ。めんつゆと豆乳の意外な組み合わせは、まるでつっちーと沖ちゃんの2人の組み合わせのよう。何かに興味を持つと、すぐに熱中するつっちーと、ブレない性格の沖ちゃん。2人でひとつ、どちらか欠けてもお店は続かないだろうと、声を合わせる。そんな2人にとって“酒場とは?”を訊くと、沖ちゃんは“ごく単純に、飲んで楽しい場所”。そしてつっちーは“お酒を笑顔で楽しむ場所”との答え。だからこそ、店では名刺交換が禁止だという。年齢も立場も関係なく“何者でもない自分に戻って飲んでほしい”という。きたろうさんが「ただの人間であればいいってことだよね」と言うと、2人は「そうそう。人間以外でもいいかな。猫でも、妖怪でも」と笑う。そこですかさず「なにしろ、きたろうが来てますから」と、きたろうさん。きっと、こんな楽しいやりとりが常連達を通わせているに違いない。

月夜野の流儀
その壱

季節の素材を引き立てるのは、自家製ゆずみそダレ。八丁味噌、ゆず果汁、砂糖、みりん、酒で、少し甘めに仕上げた付け味噌が、野菜とよく合う。野菜グリル700円(税込) ※内容は仕入れによって変わります。
その弐

天然のブリを醤油とお酒で下味を付け、約5分間じっくり焼く。脂ののったブリのグリルは、食べ応えも十分。天然ブリのグリル800円(税込)
その参

シンプルな味付けの鶏肉と、たっぷりの野菜。このバランス感覚は女性ならでは。鶏のハーブソルト700円(税込)
その四

冷たいそうめんを、豆乳入りのつゆと、たっぷりの薬味でいただく。豆乳そうめん500円(税込)
その五

お酒を前にしたら、上下関係や、仕事の話は野暮。一人の人間として、お酒と料理と会話を楽しむこと。
きたろうさんから、月夜野へ贈る「愛の叫び」月の夜に 二人を見てるだけで 酒がうまい———きたろう
「神楽小路 月夜野」
住所

電話
営業時間
定休日
東京都新宿区神楽坂1−14
神楽小路みちくさ横丁
03-5228-0463
18:00〜23:00、土・日曜17:00〜22:00
日曜、祝日、第1土曜
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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