BS-TBS「〜癒・笑・涙・夢〜夕焼け酒場」 毎週土曜よる6:00〜6:30 BS-TBS 2016/5/14放送 #97 もつ焼ブウちゃん

先代が屋台から始めたもつ焼き店 その味を守る二代目、三代目が語った 店を末長く繁盛させる三原則とは?
素材の味を生かしたつまみの数々

葛飾区金町で昭和33年に創業し、58年の歴史を誇る「もつ焼ブウちゃん」。きたろうさんが店をのぞくと、すでにお客さんでいっぱい。二代目ご主人の坂井志朗さんと、女将の宏枝さんに迎えられ、座ろうとすると席は長椅子。「これはもう何人でも座れますね。ギュウギュウに詰めればね」と、きたろうさんが言うように、“ちょっと、すみませんね”と席につくお客さん同士、譲り合う感じが店の一体感を生み出す。いつもの焼酎ハイボールでの乾杯も賑やかに、早速おすすめのつまみをいただくことに。

ブウちゃんという店名は、豚もつ専門の店ゆえ。「一回聞いたら誰も忘れない」と笑いながら、二代目が出してくれたのは“レバーのタレ”。「うまい!レバーがうまいところは間違いがないね。タレもちょうどいいねぇ。コッテリしてなくて」と、きたろうさん。タレは先代からの継ぎ足しで、創業以来の味。先代は栃木で蓄音機を販売していたが、戦後上京し、串焼きの屋台を始めた。そのせいだろう、「この店は、クラシック音楽が鳴ってる店だったの。スピーカーが4つも置いてあって」とは、古くからの常連さん。二代目は16歳から寿司屋で修行し、23歳で独立。とんかつの店と鰻の店を開いて繁盛していたが、母が病に倒れたのを機に店を閉め、先代と共に「もつ焼ブウちゃん」の暖簾を守る決意をした。その時、二代目は33歳だった。

「次は静岡県のワサビ、有名ですよね?あれの葉っぱとくきを昆布で和えた、うち独特のつまみです」と、登場したのは“ワサビのくき漬け”。「季節限定(の素材)ですよ。なかなか売ってないんだよ」と、きたろうさんが言う葉ワサビは、女将の生まれ、静岡の有東木(うとうぎ)から送られてくる。一口食べた西島さんは「あ、結構ピリッとくる。辛い!辛い!これは癖になりますね」と、お気に入りの様子だ。

カウンターの内は学生、外はプロフェッショナル

本日の3品目“もつ煮込み”を出してくれたのは、この店の三代目、豊さん。「顔が似てるねぇ、息子?もう煮込みは作れるの?」と訊くと、二代目と日替わりで作っているという。その味に「うまい!素材の味をちゃんと生かしてる」と大絶賛。店に入ってもう7年。「もつ焼き屋なんてヤダと思ってたけど、自分が飲むようになってから、そういう人生もありかと思いまして」と語る三代目。二代目は「やっぱり10年はやんないとね」と言葉は厳しいが、その顔は優しい。

ここで二代目と女将の共通の趣味、フラメンコをお客さんに披露。二代目がフラメンコ・ギターを始めたのをきっかけに、踊りを習い始めた女将。フラメンコ・サークルを結成し、今では様々なイベントに呼ばれるほどに上達。カウンター越しに踊りを見るお客さんは、やんやの喝采。きたろうさんも西島さんも、その迫力に驚く顔が隠せない!

最後に、これだけは食べて帰れのメニューをお願いすると“黒はんぺん”が登場。「静岡には、白いはんぺんがないんです」という女将の郷土名物。西島さんが「味の濃さがまったく違う。味が強い」と言うように、イワシの旨味が凝縮され酒のつまみにピッタリ。

お店を続ける秘訣を訊かれた二代目は言う。「食べ物屋というのは、みんな一緒です。三原則で、美味しくて安い、そして楽しむ。楽しみながらお客さんと一緒に年をとっていくのが面白い。まぁ、こういうオープンキッチンでしょ。するとお話しをしますよね。するとお客さんが、私の知らないことを教えてくれる。言い換えるとね、カウンターの内側が学生で、カウンターの外全部がプロフェッショナルな人たちですよ。それで何でも教えてくれる。だから勉強になる」。そんな店とお客さんの良い関係があるからこそ、酒場は仕事場と家庭の間のクッションとなって、お客さんの活力を生む。ブウちゃんに肩をポンと押されて、明日も元気モリモリ。そんな常連さんが、また今夜も飲み集う。

もつ焼ブウちゃんの流儀
その壱

創業時から継ぎ足されているタレで焼く看板メニュー。豚のもつ焼きレバー1本90円(税込)
その弐

江戸時代初期から栽培が始まったとされる、静岡県有東木で育ったワサビを使用。ワサビのくき漬け310円(税込)
その参

とんかつ、鰻など様々な飲食店を経て、先代の店を継いだ二代目が語る商売の極意。
その四

豚もつ、こんにゃく、大根といった具材を、出汁、醤油、お酒でスープまで飲めるように、あっさり味付け。もつ煮込み400円(税込)
その四

白身魚を使って作る白はんぺんに対して、静岡ではイワシを使って黒はんぺんを作る。味の良さはもちろん、栄養価も高い。静岡名物 黒はんぺん焼310円(税込)
きたろうさんから、もつ焼ブウちゃんへ贈る「愛の叫び」ブーちゃんはアミーゴだらけ つまみもオーレ!!———きたろう
「もつ焼ブウちゃん」
住所
電話
営業時間
定休日
東京都葛飾区金町5−17−5
03-3600-5895
16:30〜23:00
日曜、祝日、年末年始、お盆
  • ※ 掲載情報は番組放送時の内容となります。

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