「焼酎ハイボール」酒場を巡る旅 東邦酒場

半世紀以上にわたり愛され続ける下町酒場の「元祖 酎ハイ」

最近は“チューハイ”の語源を知らない人も多いようだが、「焼酎ハイボール」のことである。昭和20年代、東京下町の大衆酒場で、庶民でも手に届きやすい酒、焼酎を飲みやすくするために店主がソーダ水などで薄めたことが始まりだ。店ごとにそのレシピが工夫され、それぞれ味も違っていた。焼酎と炭酸の心地よいのどごしの組み合わせは人々をとりこにし、瞬く間に酒場に欠かせない存在となった。

マッキー牧元さんが訪れた「東邦酒場」も60年以上、“元祖 酎ハイ”を提供している。つまみは刺身からナポリタンと幅広い。「チューハイは料理に“合う”というより、どんな味も“受け止めて”くれるという表現のほうが相応しい」と、マッキーさんは「レバコロステーキ」を頬張った。生で食べられるほど新鮮な豚レバーを強火でさっと焼いたものだ。味わいを堪能してから、琥珀色の「元祖 酎ハイ」を流し込む。「香りの余韻は残しつつ、口の中をすっきりさせてくれるのは辛口のチューハイだからこそ。つまみを何度でも美味しく味わえるからたまらないね」

かつて、この店がモツ焼き専門店だった時代はつまみの味つけが濃く、しかも酔うことを目的に飲む人が多かったため、今よりずっと強めの「酎ハイ」を提供していたという。「酎ハイ」も人の好みや時代の流れに合わせて、少しずつ変わっているのだ。

長年にわたって愛され続ける「チューハイ」を巡るこの旅も、まだまだこれから続くのである。

魚肉ソーセージの卵焼き塩こしょうで炒めた魚肉ソーセージに溶き卵を流し込んで焼き、半熟の状態で完成。卵とトッピングしたケチャップの甘みを辛口の「焼酎ハイボール」が流してくれるから、何度でも魚肉ソーセージの旨みがよみがえる!

「東邦酒場」
モツは60年以上付き合いがある業者から毎朝仕入れ、野菜は完全無農薬のものを奈良の農家から直接取り寄せ。すべて素材自体が新鮮
東京都葛飾区宝町2-36-8
03-3697-0644
17:00〜23:00(日曜は〜22:30)
月曜・第二日曜
  • ※ 2018.5.28掲載分
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