「焼酎ハイボール」酒場を巡る旅 大力酒蔵

下町の路地裏で愛され続けて半世紀 ホルモン焼きとの相性は「完璧」

最近は“チューハイ”の語源を知らない人も多いようだが、「焼酎ハイボール」のことである。昭和20年代、東京下町の大衆酒場で、庶民でも手に届きやすい酒、焼酎を飲みやすくするために店主がソーダ水などで薄めたことがはじまりだ。

JR金町駅南口からすぐの路地に佇む「大力酒蔵」は、創業52年目を迎えるホルモン焼きの老舗。年季の入った暖簾と赤提灯が目印だ。食欲をそそる香ばしい匂いに誘われて暖簾をくぐるマッキー牧元さん。今宵は絶品のホルモンで一杯という趣向だ。

店は、夫婦と女将の妹さんの3人で切り盛りしている。焼酎ハイボールを作るのは女将さんの担当だ。氷とレモンのスライスを入れたグラスにソーダ水を注ぎ、最後に先代からレシピを受け継ぐ焼酎が入った琥珀色の秘伝のエキスを溢れんばかりに。なみなみと入ったグラスを一口すすったマッキーさんは「お、辛口でいいねえ」とご満悦。

ホルモンの名店を数多食べ歩いているマッキ―さんだが、最初に頼んだハラミとシロを皮切りに「これはいいホルモンだ」と箸が止まらない。 「旨味たっぷりの肉を噛み締めて、焼酎ハイボールを静かにスーッと飲むと、完璧!脂とタレの甘辛味をすっきり流してくれて、そうするとまた甘辛のホルモンが欲しくなる。永遠にループしそう(笑)」

常連客のほとんどが頼む牛すじ煮込みは、プリプリと大ぶりの牛すじを韓国の唐辛子を使ってじっくり煮込んだピリ辛の一品。「こんなにうまい煮込みには滅多にお目にかかれないよ」と、相性抜群の焼酎ハイボールが進む進む。

長年燻されて飴色になった店内で、「チューハイ」は今宵も黄金色に輝いていた。

もやしとワカメのナムルもやしをさっと茹でて水で締める。ワカメは塩蔵のものなら水で戻す。水を切ったもやしとワカメに塩、すりごま、うま味調味料、ごま油を加え、よく和えたら出来上がり。コッテリした肉料理の箸休めにピッタリで、スッキリ辛口の「焼酎ハイボール」とも相性抜群!

「大力酒蔵」
レトロな卓上ガスコンロで焼くスタイル。一皿600円からのホルモンはハーフでも注文できて、一人焼肉に完全対応。
東京都葛飾区金町 6-8-8
03-3607-7781
17:00〜23:30
日曜、祝日
  • ※ 2018.8.27掲載分
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