「焼酎ハイボール」酒場を巡る旅 ゑびす

毎日でも通いたい正統派「大衆酒場」ズラリ魅惑の酒肴に目移り必至!

最近は“チューハイ”の語源を知らない人も多いようだが、「焼酎ハイボール」のことである。昭和20年代、東京下町の大衆酒場で、庶民でも手が届きやすい焼酎を飲みやすくするために、店主がソーダ水などで薄めたことがはじまりだ。

大衆酒場の名店が点在する葛飾区界隈にあって、地元民、そしてわざわざ飲みにくる遠征派の双方から絶大な支持を集めているのがここ、四ツ木の「ゑびす」。昭和26年創業の老舗で、呑んべえたちの心をくすぐる肴が、めっぽう旨くてめっぽう安いと評判だ。「料理はざっと見ただけでも100種類以上。10数年ぶりに来ましたが、ますますパワーアップしてますねえ」と、百戦錬磨のマッキー牧元さんも入店するなり自然と笑顔に。

熟考の末、どじょうの丸煮、にんにくの天ぷら、サンマ刺しなどを注文。合わせるのはもちろん焼酎ハイボールだ。

ひげ根と葉が付いた山形産のにんにくをからりと揚げた天ぷらをサクッと一口、そしてすかさずグラスを傾ける。「辛口の焼酎ハイボールが油をスーッと流してくれて相性抜群だね。どじょうもぷりっと旨いし、サンマも脂がのっていて最高。いや、しかし、どんな肴にも合うもんだね、焼酎ハイボールってやつは」

常連客のリクエストに応えているうちに品数が増えてしまったと話すのは、2代目店主の石田健一さん。おもちゃ代わりに包丁を握り、就学前から厨房でハゼを下ろしていた筋金入りの料理人だ。できるだけ低価格で良いものをと毎朝築地と千住の市場を回り、夕方まで奥さんと息子さんの3人で大量の仕込みをこなす。

愛情と心意気たっぷりの佳肴、そして格別の一杯にひたれる名酒場、ここにあり。

じゃがいも炒めじゃがいもの皮をむき、太めの拍子木に切って水に晒す。水気をサッと拭いてレンジで1〜2分加熱。フライパンにやや多めの油をひき、中火でじっくり炒める。途中で豚肉を加え、火が通ったら塩コショウで味付け。素朴でホッとする味わいは、「焼酎ハイボール」と相性抜群!

「ゑびす」
毎朝、市場に出向いて仕入れる鮮魚の各種料理を筆頭に、とんかつやうなぎ、炒め物まで全方位に肴を揃える大衆酒場の鑑!
東京都葛飾区四ツ木1-28-8
03-3694-8024
16:00〜22:30
火曜
  • ※ 2018.10.22掲載分
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