「焼酎ハイボール」酒場を巡る旅 森下深川 三徳

下町の人情酒場で一緒に愉しむ
絶品もつ料理と焼酎ハイボール

最近は“チューハイ”の語源を知らない人も多いようだが、「焼酎ハイボール」のことである。昭和20年代、東京下町の大衆酒場で、庶民でも手が届きやすい酒、焼酎を飲みやすくするために、店主がソーダ水などで薄めたことがはじまりだ。

深川芭蕉通りに縄のれんを掛ける「深川 三徳」は、地元の呑ん兵衛たちに愛され続けるもつ料理の名店。カウンターと小上がりのある店内は、まるで映画のセットのような昭和酒場の佇まいだ。

初夏の陽気の中、この心地よい空間で喉を潤す一杯はもちろん焼酎ハイボール。こちらでは「下町ハイボール」と呼ばれている。

「お、この焼酎ハイボールはなんと口当たりが軽いことか。スイスイ飲めちゃうよ」と、数々の名店で焼酎ハイボールを飲んできたマッキー牧元さんも驚いた様子。おまけに、大好物のもつ料理もめっぽう旨いときているから、自然と顔がほころんでしまう。

店主の早川成次さん自ら運んでくれた陶皿の上でグツグツと音をたてるのは同店自慢のもつ煮込み。豚のテッポウとシロのみをじっくり煮込んだ逸品だ。大ぶりのもつを噛みしめつつ、キンキンに冷えた焼酎ハイボールをゴクリとやれば……至福の瞬間。

「純レバもうまいね。新鮮な鶏レバーの味を引き立てる甘めのタレで、実にいい肴だよ」「純レバ」とは、甘辛タレでレバーを炒めネギを散らしただけの、純粋にレバーを味わう下町のソウルフード。新鮮なもつのみを扱う同店の自信の表れと言えよう。

早川さんのTシャツに踊る「義理人情挨拶愛情」の8文字は、40年間大切にしてきた合言葉。その実直さは、酒と肴からも存分に伝わってくる。

中華風冷奴中華ドレッシングに炒りゴマ、長ネギの小口切りをたっぷり入れ、すりこぎで擦りながらよく混ぜ合わせてタレを作る。豆腐にキュウリとハムの千切りをのせ、タレをかける。具材には茹でたモヤシやカニカマなどをお好みで加えてもいい。爽やかな酸味と香ばしいゴマの風味に「焼酎ハイボール」がグイグイ進むこと間違いなし!

「深川 三徳」
旬の刺身に揚げ物、焼き物など全方位的に肴が揃う“ザ大衆酒場”。20時以降にのみ注文できる「支那そば」も〆に人気
東京都江東区常盤2-11-1
03-3631-9503
平日17:00 〜23:30
日曜・祝日
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