「焼酎ハイボール」酒場を巡る旅 篠崎酒処 大林

東京の東の端、至極の大衆酒場で
味わう極上の「焼酎ハイボール」

最近は“チューハイ”の語源を知らない人も多いようだが、「焼酎ハイボール」のことである。昭和20年代、東京下町の大衆酒場で、庶民でも手が届きやすい酒、焼酎を飲みやすくするために、店主がソーダ水などで薄めたことが始まりと言われている。

東京の東端。わざわざ遠方から足を運ぶ人も絶えない老舗大衆酒場が「酒処 大林」だ。入口から厨房に向かってすっと伸びるコの字型カウンターの一角に陣取り、びっしりと並んだ品書きを一瞥するだけで、「この店は間違いない」という確信に満ちてくる。

「今ざっと数えただけでも、120種類以上ありますね」とマッキーさんも驚く酒肴のラインアップは、刺身から揚げ物、カレー、鰻、雑煮まで全方位守備だ。迷ったあげく、充実のフライ類からハムカツとトマトフライ、さらに名物の煮込みを注文。合わせるのは無論、焼酎ハイボールだ。

「タカラ焼酎ハイボール」と、銘柄まで明記された短冊を見れば避けては通れない。

やってきたのは、宝焼酎に秘伝のエキスをブレンドした琥珀色の“もと”が溢れる小グラスと、空の中ジョッキ。別添えの氷と炭酸で自分好みの一杯に仕上げるスタイルだ。

「辛口でスッキリ。でも香りはほんのり甘くて、味のしっかりした煮込みやフライによく合うね。料理はどれも破格値なのに丁寧な仕事で盛りもいい。ついつい酒が止まらなくなる、恐るべき店だよ」

創業53年。現店主の青木康徳さんのお父さんが酒屋から独立し、楽しく飲める店をと開いたのが始まりだ。以来、左党が喜ぶメニューはここまで増えた。笑顔で酒を汲む客と、キビキビと切り盛りする青木一家。店内に流れる時間は、いつの世も変わらない。

まぐろユッケマグロの赤身を好みの大きさに切り分け、ごま油、麺つゆを適量加えてもみ込む。皿に盛り付けたら卵の黄身をのせ、分葱、ごま、刻み海苔をたっぷり振りかける。お好みで大葉やわさびを添える。よくかき混ぜると、マグロの深い旨味が際立つ最高の肴に! 「焼酎ハイボール」との相性は、ことさらに語るまでもない

「酒処 大林」
名物の煮込みをはじめ、新鮮な刺身から揚げ物、焼き物、炒め物、〆の麺類まで何でも揃う、まさに大衆酒場の「理想形」
東京都江戸川区下篠崎町10-10
03-3676-4983
平日17:00 〜 23:00
木曜
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