「焼酎ハイボール」酒場を巡る旅
東向島 岩田屋商店

地域に開かれた“進化系角打ち”で
三代目渾身の「焼酎ハイボール」を

最近は“チューハイ”の語源を知らない人も多いようだが、「焼酎ハイボール」のことである。昭和20年代、東京下町の大衆酒場で、庶民でも手が届きやすい酒、焼酎を飲みやすくするために、店主が炭酸水などで割ったことが始まりと言われている。

創業87年を数える東向島の老舗酒販店「岩田屋商店」は、昨年11月、大胆なリニューアルを敢行。昔ながらの酒屋から、前面ガラス張りで明るくなった店内には、角打ちスペース「イワタヤスタンド」を併設し、新たな賑わいを見せている。

マッキー牧元さんが注文したのは「イワタヤボール」。キンキンに冷やした強炭酸に、宝焼酎をベースにした“もと”をギリギリまで注ぐ岩田屋特製の焼酎ハイボールだ。

「旨いねえ。スッキリしていて味と香りのバランスが絶妙。……このほのかなスパイス感もいい。ずーっと飲めるね!

三代目の岩田謙一さんが試行錯誤の末に完成させた自信作で、特注グラスと独自配合の“もと”により、アルコール度数7%になるよう設計されている。企業秘密だというスパイス感の正体は、実際に飲んで探ってみてほしい。

15時から提供される料理もお楽しみ。塩麹唐揚げや自家製ぬか漬けなど、発酵にちなんだアイデア料理は女将の作。ボールとの相性も抜群だ。「酒も肴も旨くて、角打ちのイメージを覆す明るい雰囲気がいいよね」とマッキーさん。夫妻共に前職は社会福祉の仕事をされていたそうで、家業を継いでからも地域に貢献したいという思いが人一倍強い。「うちは家族連れで来られるお客さんも多いんですよ。この店が地域コミュニティの交流点になれたらいい」と岩田さん。未来へつながる角打ちの最新形がここにある。

イワタ焼き麩を使った和風お好み焼き。薄力粉を卵と水で溶き、刻んだ長ネギと焼きちくわ、粗く砕いた麩を加えてよく混ぜる。フライパンに薄くひいて両面を焼き、醤油を塗り、鰹節をふりかけたら完成。砕いた麩の食感も面白く、よく冷やした「焼酎ハイボール」と最強コンビ!

「岩田屋商店」
昭和10 年創業の老舗酒販店が、本格的な角打ちスペース併設の店にリニューアルオープン。自家製のおつまみも充実
東京都墨田区東向島4-43-6
03-3611-6917
11:00 〜20:00、日・祝12:00 〜18:00
月曜

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