「焼酎ハイボール」酒場を巡る旅
もつくし

オープンエアの昼飲みで堪能する
絶品もつ料理と「焼酎ハイボール」

最近は“チューハイ”の語源を知らない人も多いようだが、「焼酎ハイボール」のことである。昭和20年代、東京下町の大衆酒場で、庶民でも手が届きやすい酒、焼酎を飲みやすくするために、店主が炭酸水などで割ったことが始まりと言われている。

コロナ禍が明けて以降、連日祭りと見紛うほどの賑わいを見せる浅草、浅草寺界隈。境内の西側、屋台風の開放的な酒場が連なる通称・浅草ホッピー通りでは、一日中飲み歩き客が途切れることがない。中でもここ「もつくし」はひときわ活気溢れる一軒だ。

マッキー牧元さんが席に着くなりまず頼んだ一杯は、浅草では珍しい焼酎ハイボール。豪快にジョッキで登場だ。「ちょい濃いめ、炭酸強めのしっかりとした飲みごたえがいいね!」とマッキーさんも唸る同店の焼酎ハイボールは、宝焼酎ベースの“もと”に強炭酸を合わせたもの。16年前の開店時から働くチャコさんは「私が濃いめが好きだから、“もと”の量を普通より少し多めにしてるの」と笑う。

店名がもつと串に由来するだけあって、もつ煮込みや串焼きが充実している。見逃せないのが、煮込みの3品盛り。醤油味の牛すじ、塩味の牛もつ、味噌味の豚もつと、3種類のもつ煮込みを一度に楽しめる大人のハッピーセットだ。「どれも出汁が上品! もつも牛すじもごろっと大ぶりで絶妙な加減に煮込まれていて、これはお酒が進むよね」

場外馬券売り場が近いため、以前は年配の男性客ばかりだったが、馬券のネット購入が一般化するとともに、通りが飲み歩きの名所となった現在、客層は若返り、外国人観光客からも愛されるようになった。活気と喧騒の中で味わう一杯もまた、格別である。

味噌きゅうりいつもの味噌にひと手間加えるだけで、きゅうりを格段に美味しくしてくれるレシピ。味噌に砂糖と炒り胡麻、一味唐辛子をお好みの量加え、みりんを少しずつ足しながらよく練り、冷えたきゅうりに添えれば完成。甘辛い味噌が食欲を刺激し「焼酎ハイボール」も進む!

もつくし
もつ焼きともつ煮込みが二大看板メニューだが、その他にも豊洲で仕入れる鮮魚の刺身やフライ系も充実した全方位型酒場
東京都台東区浅草2-3-16
03-3847-4333
平日11:00 〜23:00、
土日祝9:00 〜23:00
不定休

ページトップへ