「焼酎ハイボール」酒場を巡る旅
もつ焼き 小江戸

名店の味と心意気を受け継ぐ繁盛店で
オリジナル「焼酎ハイボール」に酔う

最近は“チューハイ”の語源を知らない人も多いようだが、「焼酎ハイボール」のことである。昭和20年代、東京下町の大衆酒場で、庶民でも手が届きやすい酒、焼酎を飲みやすくするために、店主が炭酸水などで割ったことが始まりだと言われている。「もつ焼き 小江戸」は、青砥駅至近の雑居ビル2階にある。平日15時、土日12時の開店前から行列ができる人気店で、席はあっという間に埋まっていく。多くの客が最初に頼むのが、「小江戸ハイボール」と名付けられた焼酎ハイボール。マッキー牧元さんも、席に着くなりまずは一杯いく。「旨い! 爽やかな香りと奥行きのある味わい。アルコール感もしっかりありながら、強炭酸が心地よくスッキリ飲める。唯一無二のボールだね」

店主の大島健二さんは、サラリーマン時代に通った立石の名店「江戸っ子」へ一念発起し転職。築地市場でダブルワークしながら6年の修業を経て、姉の森瀬洋子さんと独立開業した。ボールのレシピは修業先の秘伝の味をイメージしながら試行錯誤した完全オリジナル。香りづけに柑橘やブランデーを加えているのがポイントだと言う。

看板メニューのもつ焼きは、鮮度抜群でひと串の量もたっぷり。素材の良さがわかる塩味もいいが、風味よくキレ鋭いタレ、ピリリとした辛タレも捨てがたい。「辛タレとコクのあるボールが相性抜群」とマッキーさんも絶賛する。

大島さんが築地で働いていただけあり、魚の旨さも光る。この日は鮨屋顔負けのヒラメや中トロのお造りに、多くの客が舌鼓を打っていた。「どれも丁寧な仕立てで滅法旨い。こりゃ並んででも通いたくなるよ」と、マッキーさんは近い再訪を誓った。

なめたけやっこエノキを長さ3等分に切り、同割の醤油・みりん・日本酒と、少量の砂糖を加え中火で加熱する。しんなりしたら最後に酢をひと垂らし。冷奴の上にのせて、炒りごま、刻み海苔、糸唐辛子をトッピングし、ごま油をかけて完成。なめたけの旨みと辛口の「焼酎ハイボール」が相性抜群!

もつ焼き 小江戸
鮮度抜群のもつ焼きに加え、旬の刺身や巻き寿司まで楽しめる稀有な店。オリジナルの「小江戸ハイボール」も人気の秘密
東京都葛飾区青砥3-39-3
優和ビル2F
03-3690-0898
15:00〜21:00、土日12:00〜19:00
月曜・火曜

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