下町酒場おつまみ探訪 焼酎ハイボールご相伴フード 散歩の達人推奨no.14 牛豆腐 コクの牛豆腐とシャリシャリ焼酎ハイボールこれぞ下町の“黄金”コンビ!

原点回帰。鐘ヶ淵に来ると、いつもそんな気持ちになる。戦後すぐに生まれた焼酎ハイボールを、下町の味と言われるまでに育んだ母なる町。このあたりの酒場は焼酎ハイボールファンの“聖地”となっている。

そんな盛り上がりもどこ吹く風。ここはいつも、飾らず、ブレず、でしゃばらず、飲んべえたちに温かい。

ここ愛知屋もそんな店の一つだ。二代目の石川鉄之さんは、和食の世界に30年。左党を唸らせるメニューの中でも特に人気なのがこの牛豆腐。牛すじは何度も湯でこぼし、余分な脂を取り除く。旨味だけが残ったそのダシで、グツグツと豆腐を煮込み、たっぷりのネギと玉子を落として完成。匂いだけ、一口食べて、玉子をからめて、そのたびに完全にノックアウトされた。

「赤ザラメで煮ないと、このコクは出ないよ」と鉄之さん。そして「牛豆腐には絶対、コレ」と出された焼酎ハイボールに再びKO。通称「シャーベッツ」と呼ばれるこちらは、焼酎とエキスをシャリシャリに凍らせてソーダで満たしたもの。先代女将、幸子さんからの伝統だ。牛豆腐のこっくり感が、この“シャーベッツ”でサラリと拭われる。食べて、飲んで、また食べて……その度に新しい感動を与えてくれる組み合わせ。確かにこれ以外は考えられない!

こんな喜びに浸れるのも、女将さんから二代目へ、酒場の歴史が途切れずに積み重ねられてきたからだろう。下町が育んできたそんな味覚文化を大事に守り続けるのは、家で楽しむタカラ「焼酎ハイボール」も同じ。飾らず、ブレず、でしゃばらない。まさに下町そのものだから。

愛知屋(鐘ヶ淵)
鮮やかな包丁捌きと流れるような口上についうっとりしてしまう二代目と、古きよき下町お母さんの先代女将が切り盛りする老舗酒場。名物牛豆腐580円と酎ハイ315円の組み合わせは下町の奇跡。新鮮な魚介類も人気。掃除が行き届いた店内は、創業当時からの伝統だ。東武伊勢崎線鐘ヶ淵駅東口から徒歩8分。17時〜23時30分、水休。墨田区墨田3-41-14
03・3610・2445
  • ※ 2010.10.21 散歩の達人 掲載分
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