メンチカツ――それはコロッケの庶民性と、ハンバーグのご馳走感を併せ持った、食べごたえのある一品。町のお肉屋さんでも、惣菜の一つでありながら、その存在感は力強く、「皿に盛って、キャベツの千切りとともに食え!」と言わんばかりの風格すら漂っている気がする。
もともと海の向こうから伝えられた“カツレツ”が、日本独自のアレンジで進化し、今の“カツ”となった。パン粉をつけて揚げるのは“フライ”と同じだが、肉類だけが“カツ”と呼ばれるようになったのは、日本人が持つ西洋と肉食への強い憧れがあったからかもしれない。なかでも、メンチカツはリーズナブルな挽き肉にひと手間加えた、いわば庶民のご馳走。今も昔も、きっとそのことに変わりはないだろう。
堀切の老舗酒場『きよし』でも、自家製のメンチカツは大人気だ。サックサクの衣に、ジュワ〜ッと滲み出る透明な肉汁……。牛肉と豚肉の旨み、炒めた玉ねぎの甘みが三位一体となったそれは、奥深い味わいを醸し出している。噛みしめる度に広がる肉汁の秘密は「とにかく材料をよくこねること。そうすることで独特のしっとりとした食感が生まれます」と店主の後藤さん。
そんな絶品メンチカツには、やっぱり下町酒場の王道・焼酎ハイボールがいい。料理の美味しさを決して邪魔しないその一杯は、「一人で何杯も飲む人もいる」という納得の旨さ。独特の風味を台無しにしないように、氷を入れないというこだわりと、爽快な飲み口がまた、下町の酒豪を魅了して止まないのだろう。
そんな下町酒場で感じるような“口福”を自宅でも味わいたくなったら、兎にも角にもタカラ「焼酎ハイボール」。近所のお肉屋さんで買ったメンチカツをつまみに目を閉じれば、酒場のカウンターで見た光景がフラッシュバックして、ついつい自分ももう一本飲んじゃったり……って、やっぱりクセになるんだよなぁ……タカラ「焼酎ハイボール」は。
- 下町風情の残る堀切で45年。家庭的な雰囲気で昼から大賑わいの老舗酒場。メンチカツ280円を始め、「自分が旨いと思うものを」と自家製にこだわるメニューが店内を埋め尽くす。こだわりの焼酎ハイボールは驚きの一杯270円! 京成本線堀切菖蒲園駅からすぐ。12〜23時(金・土は〜翌3時)、水休。葛飾区堀切4-51-10
03・3690・9947